
旅籠しび荘の露天風呂
旅籠しび荘
紫尾温泉を温泉地として活性化しようと、1967年に先代の山之口守さんが最初に作った旅館。2種類の浴槽がある内湯は、1つの浴槽に紫尾神社の拝殿下から湧き出る「神の湯」、もう一つにしび荘の敷地内から湧き出る温泉があり、それぞれ湯の温度が違う。
この温度差を使い分けて皮膚病を持つ人が湯治に訪れることもあるそうだ。
露天風呂(=最上段の写真)は貸し切りタイプで、宿泊客優先。空いていれば立ち寄り湯でも使用可能だ。
鶴田ダム
ダムの種類の中でも、水の力をダムの重さで支える「重力式コンクリートダム」。横から見ると三角形の形をしているダムの中は、事前に申し込めば見学することが可能。
しかし階段の上り下りが必要で、最短の60分コースでも120段の階段の往復が必要になる。体力に自信がある人は120分のコースも。
当日の天候次第で見学の受け入れができない場合もあるが、基本的に個人から団体まで受け入れ可能なので興味がある人はぜひ見学を!
大鶴ゆうゆう館
NPO法人ひっ翔べ!奥さつま探検隊の事務局長・竪山成人さんが店長のレストランは、元気いっぱいの4人のスタッフがぴったり息を合わせ、鶴田ダムの工事関係者でごった返す時間帯もてきぱきとオーダーをさばく。
人気の「から揚げ」は、ひとりで10個オーダーして完食する人もいるとか。ショウガの風味が効いたやわらかジューシーなから揚げをぜひご賞味あれ。
ここから、ゆる旅スケッチの世界をお楽しみください。
水害防げ!! 鶴田ダム大改修
2006年7月、記録的な豪雨が川内川流域の家屋や農作物に甚大な被害をもたらし、人命も奪った。このような洪水の被害を軽減するため鶴田ダムの大改修が2007年に始まった。
県道397号から看板の案内に沿って車を走らせカーブを曲がると、視界いっぱいに鶴田ダムが迫る。高さ117.5m、幅450mの巨大なダムの周りに数台のクレーンがそびえ、機材を積んだトラックが頻繁に往来。大がかりな工事であることは一目瞭然だ。

日本最大規模のダム再開発工事とダムカード(右下)/イラスト:張 佐和子
「日本最大級のダム再開発事業」とうたわれるのは、
- ダムの水を放流する管のための削孔(穴をあける)が水深約65m
- 削孔する数が5本
- 削孔の長さが約60m
これらの工事が日本初だからだ。潜水士が作業水深と同じ気圧の空間で約1カ月間生活しながら水中の掘削などを行う「飽和潜水」も採用した。総工費は約711億円。来年(2018年)の完成を目指している。
事前に申し込めば国土交通省の職員による説明を受けダムの内部を歩いて見学も可能。ダムの情報が記された「ダムカード」ももらえる。4月からは堤頂(ダム上部)の通行が可能で、桜の名所「鶴田ダム公園」まで行けるように。今しか見られない日本一の大改修を目に焼き付けたい。(鶴ヶ岡ますみ)
鶴田ダム
- 見学などの問い合わせ/鶴田ダム管理所(さつま町神子3988-2)[MAP]
- TEL:0996-59-2030
- 受け付け/9:00~17:00
- 休/土・日曜、祝日 見学は無料
ここでいっぷく
温泉ファンが愛する「神の湯」

露天風呂
紫尾神社の拝殿下から湯が湧き出ることから「神の湯」として親しまれる紫尾温泉。湯に柿を一晩浸けて渋味を取る秋の風物詩「あおし柿」が有名だ。
無色透明の単純硫黄泉は平均ph値が9.5と強アルカリで、肌触りがとろっとした感触になる。
「神の湯」と敷地内から自噴する温泉の2つの内湯、夜星川沿いの露天風呂がある旅館「しび荘」の山之口愛章さんは「湯にとろみを感じるのは、強アルカリで肌の古い角質が溶けるから」。入浴後はツルツルの肌になるが保湿が大切という。

温泉コスメ
見つけた!
展望レストラン「大鶴ゆうゆう館」
大きなガラス窓から鶴田ダムを眺める展望レストラン「大鶴ゆうゆう館」は、ダムを管理する国土交通省の職員や工事の関係者でにぎわう。2人の“おかあさん”が作る30食限定の「日替わり定食(500円)」や、から揚げ2個と卵焼きの「親子セット(550円)」などメニューは多彩。ショウガが効いた大きめのから揚げ(1個100円)が人気だ。

ダムを眺めながらおふくろの味
現在の建物はダム再開発工事で夏以降に取り壊す予定。レストランを管理する竪山成人さんは、ファンの期待に応え、近隣への移転後も「おふくろの味」の存続を誓う。
大鶴ゆうゆう館
- さつま町神子3985-9[MAP]
- TEL:0996-59-2522
- 営/9:00~17:00
- 休/日曜

南日本新聞さつま支局記者
犬塚 政志(45)のおすすめ
さつま町のおすすめポイント
冬のさつま町はとにかく寒いが楽しみも多い。まずは紫尾山の樹氷。氷は木の片側に羽のような形で伸びているから不思議だ。風上に向かって凍っているそうで自然の神秘を体感できる。帰り道に町の温泉に入れば体の芯から温まる。特産のイチゴや開運キンカンは今が旬で栄養満点だ。
- さつま町データ
-
町の中央に川内川が流れ、初夏は無数のホタルが飛び交う。紫尾温泉、宮之城温泉の2つの温泉郷があり湯どころとしても知られる。
さつま町のココがスゴい!
北薩最高峰、標高1,067mの紫尾山は車で山頂まで行ける。山頂にある石碑には「王貞治」書とある中国の思想家・孔子の言葉が刻まれている。