
きっかけはカーディガンズ『ライフ』
ミュージシャンが出す音を録音し、整えてまとめ上げていく「レコーディングエンジニア」。姶良市蒲生町の「ハチマンスタジオ」にはロックからクラシック、演歌とさまざまなジャンルのアーティストが訪れる。エンジニアの山之内隆弘さんが20年かけて集めた機材がそろう。
もともとシンガーソングライターとして活動していた山之内さん。ある時スウェーデンのポップバンド、カーディガンズの『ライフ』に出会い「何だこのサウンドは!」と衝撃を受けた。「キュートで洗練されていて音が生き生きとしていた」。興味を持ったのはトーレ・ヨハンソンというプロデューサー兼エンジニア。その後も素晴らしいサウンドに出会うたび、敏腕エンジニアが欠かせないことを知る。イギリスのロックバンド、レディオヘッドを支えるナイジェル・ゴッドリッチが目標だ。マイク1本で音が変わる世界。「個性が強く味わいが魅力のビンテージ機材と新しい技術との組み合わせがおもしろい」。最高のサウンドに仕上げるために探究心は尽きない。