
シカゴブルースの父
音楽はやっぱり生がいい―そんな声に応えてくれる場所のひとつが、天文館にあるライブバーMOJOだ。三宅康太郎さんが14年前から構える。ライブを行うのはジャンルを問わない三宅さんの「胸を打った」アーティスト。最近では中山うりのライブを開催、50人ほど集まった。
店名に付けられた“MOJO”はブルースの歌詞によく登場し、元々は「お守り」の意を持つ。異性を引きつけるための「力」といったブルースを象徴する、男性的な言葉だ。
三宅さんが「圧倒的な存在感。セクシーで歌にすごみがある」と賞賛するのがマディ・ウォーターズ。エレキギターを使ったバンドスタイルの「シカゴブルースの父」と呼ばれる。ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンも彼から影響を受けており、ストーンズの名は彼の曲に由来する。気だるく鳴るギターとブルースハープの上に乗った渋い声。ジャケットの汗で光る顔まで、まさに“MOJO”を感じる「男の中の男」だ。