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Q
10歳の息子が自転車で走り回っている途中にお年寄りにぶつかってケガをさせてしまいました。この場合、親に法的な責任があるのでしょうか。
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A
原則として両親が損害賠償責任を負います。
故意または過失により他人に損害を与えた者(加害者)は、損害賠償責任を負うのが原則です。しかし、加害者が未成年であり、「自己の行為の責任を弁識するに足る知能(責任能力)を備えていなかったとき」は、加害者本人は損害賠償責任を負いません。
この責任能力の有無は、道徳的な善悪の判断能力ではなく、加害行為について法律上の責任を理解するに足りる能力があるか否かにより判断されます。一般的には12歳前後が境界線であるとされており、10歳の息子さん本人は損害賠償責任を負いません。
もっとも、責任能力のない未成年者の親は、その直接的な監視下にあるときはもちろん、監視下にない子の行動についても、人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう指導監督する義務があるとされています。この監督義務を果たしたことを証明しない限り、両親が損害賠償責任を負うことになります。
このような親の監督責任は、被害者救済の観点から、広く認められる傾向にあります。責任を免れることができるのは、通常であれば人身に危険が及ぶ危険性のない行為によって事故が起きてしまった場合などであり、自転車の運転中に事故を起こしたケースでは、責任を免れることは難しいでしょう。
このような損害賠償責任に備えるため、子を持つ親は個人賠償責任保険に加入しておくことが望ましいです。自動車保険やカード保険で加入できますので、一度確認しておくとよいでしょう。
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