
朱塗りの絢爛豪華な造りの社殿。創建は建保6年(1218年)
花尾神社
島津家の家紋を掲げた鳥居をくぐり、広大の境内の一番奥に鎮座している社殿(=写真上)。眺めるとその見事な彫刻や装飾に格式の高さを感じずにはいられません。
向拝のひさしの下から上を見上げると、貘(バク)や獅子の彫刻が阿吽の相で参詣者をジロリ。うっそうとした老杉の木立ちの中で、ゆっくりと歴史を刻んでいました。
梟の森
森側の壁がほぼガラス張りになっており、開放感抜群。外の景色を眺めながら、ゆっくりとティータイムを楽しむことができます。バリアフリーで車ベビーカーや車いすの乗り入れもOK。
ツーリングを楽しむライダーにも人気のスポットなのだとか。
八重山公園
見晴らしのいい高原のキャンプ場。天候に恵まれれば、開聞岳まで望めるのだそう。アスレチックや草スキーなど家族で遊ぶことができ、春になると200本の桜の木が咲き誇ります。撮影時も数組の家族連れが秋の陽気を楽しんでいました。
それでは、“おでかけスケッチ帳”の世界をお楽しみください。
島津家の先祖を祭る「さつま日光」

イラスト:張 佐和子
花尾山の南麓、大きな杉の木に囲まれた小高い丘に位置する花尾神社。創建は1218年と伝えられており、島津家の先祖ともいわれる源頼朝公と丹後局を祭っている。鮮やかな朱塗りの社殿は1713年建造で、別名は「さつま日光」。極彩色の彫刻や装飾は見事で、当時の工芸技術の高さを垣間見ることができる。また“お産の神様”として広く知られており、子授祈願や安産祈願の参詣者が後を絶たない。

社殿は拝殿、弊殿、祝詞殿、本殿からなり、日光東照宮などに見られる権現造りに似た構造になっている
社殿内部の装飾でひときわ目を引くのが、格子状の天井に描かれた401枚もの草花の絵。ボタンやツバキ、キク、ウメなど現在もそのかわいらしい姿をとどめている。壁面には琉球から贈られた扁(へん)額や、島津藩主や家臣などからの奉納額が並んでいる。禰宜(ねぎ)の貴島吉紀さんは「社殿は建造当時のままの姿を残しており、歴史的にも貴重なものです。参詣は自由ですので、ぜひお立ち寄りください。また、神社から花尾山までは登山道があり、気軽にハイキングを楽しむこともできます。往復約3時間。標高540メートルの頂上からは桜島や市街地が一望できます」。2018年には創建800年祭が控える。歴史ロマンに浸りながら、足を運んでみるのもいい。
花尾神社
- 鹿児島市花尾町4193[MAP]
- 【TEL】099-298-7669
- 【営】参詣自由
- 【P】あり
寄り道グルメ
森の梟

郡山地区の中心地から車で約3分。木々に囲まれた閑静な場所にたたずむ「森の梟」は昨年3月にオープンした。ガラス張りの店内からは手入れされた庭と森の風景が楽しめる。オーナーは「鳥籠からフクロウが飛び立つ姿をイメージした店舗。お客さんに福を与えたい」と話す。
ランチは、前菜やハンバーグ、サラダなどが盛られた「ふくろうプレート」(950円)、ボロネーゼとクリームの2種類のソースから選べる「パスタセット」(900円)、キーマカレー(800円)の3種類。いずれも地元農家の野菜を中心に使って仕上げられており優しい味わい。中でもニンジンのマリネは、これまで多くのニンジン嫌いを克服させてきたのだとか。
14時以降は黒ごまプリンベースのパフェ(650円)やスムージー(2種類、500円)、ワッフルセットなど趣向を凝らしたメニューを味わうことができる。
「寄り道がてらコーヒーでも飲んでもらい、心と体をリフレッシュして帰ってほしい」とオーナーはPRする。

ワッフルセットは850円。チョコかブルーベリーの2種類から選べる
ちょこっと寄り道【gourmet】
カボスソフトクリーム

郡山地区の特産品・カボスを使った無添加のソフトクリームが12月中旬、「スパランド裸・楽・良」に登場する。シャーベット状でかんきつの酸味が程良く効いた一品になりそうだ。
同地区でカボス栽培の草分け的な存在の池田十郎さんは「カボスは世話が大変で軌道に乗るまで時間がかかっただけに、商品化はとてもうれしい」と笑顔。
スパランド裸・楽・良
(カボスソフトクリーム)
- 鹿児島市東俣町1450[MAP]
- 【TEL】099-245-7070
- 【営】10:00~22:00(ソフトクリーム~21:00)
- 【休】第3火曜
- 【P】あり
- 【HP】スパランド裸・楽・良
ちょこっと寄り道【spot】
八重山公園

桜島や錦江湾が見渡せる山の頂にある。多目的広場や7棟のコテージ、キャンプ場を完備。園内では年間を通してバーベキュー(有料)が楽しめるほか、宿泊研修ができる施設もある。遊具のある幼児広場や自然を生かしたアスレチック施設、ロングすべり台、草スキー場など、親子で一日中楽しめる施設も充実。近隣には温泉もある。
- memo
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入来峠から八重山公園を通り過ぎ2キロほどの場所に、甲突池がある。環境省が認定する「平成の名水百選」。鹿児島市内に水を供給する甲突川の源で、周辺の棚田や畑を潤すなど住民にとってはまさに“命の水”だ。また、別名「縁結びの池」とも言われ、「恋愛成就」や「延命長寿」にご利益があると言われている。甲突池近くに位置する石積みの棚田も美しく、一帯をのんびり散策してみるのもいい。(田)