
有名スポーツ選手も参拝するパワースポット、釜蓋神社
釜蓋神社とその裏手にある希望の岬
台風直後で、釜蓋神社(=写真上)や周辺にも被害が出ていましたが、参拝自体は可能で、観光客が訪れていました。
希望の岬からの眺めは特におすすめ。のんびり過ごしたい。
タツノオトシゴハウス
タツノオトシゴやカクレクマノミの水槽や生態展示のほか、手作りワークショップも楽しめちゃう。
味処みその
地元商工会の若手店主らとともに、地元特産『お茶』のPRにアイデアをひねる美園英元さん。
それでは、“おでかけスケッチ帳”の世界をお楽しみください。
ユニーク願掛け、絶景も必見

イラスト:張 佐和子
真っ青な海に三方を囲まれた岩礁の上に、赤と白で彩られた小さな社が鎮座する。釜の蓋(ふた)を頭に載せて祈願するユニークな願掛け法や、なでしこジャパンなど有名スポーツ選手が参拝することで人気のパワースポット。さい銭箱の横には、大小さまざまな釜蓋が用意されている。参拝者は、好み(!?)の蓋を頭の上に載せ、落とさぬように鳥居から拝殿までそろりと進む。誰か一人うまくいくと、見守る周囲の人から自然と拍手が沸き、盛り上がる。

正式名称は、射楯兵主(いたてつわものぬし)神社で、古くから武の神様として祭られている。なぜ釜蓋か、には伝説がある。天智天皇と妃が、頴娃の臣下を訪ねることになった。臣下が準備のため大量の米を炊いていたところ、大風で大釜の蓋が舞い上げられ、離れた浦に落ちた。地元の人々がこの蓋を拾い、祭った―というもの。かつては、釜の蓋を持ったりかぶったりして祈願すると、弾が当たらず無事帰ってこられる、と言い伝えられていた。
訪れた有名人のサイン色紙や、あちこちに施された釜蓋デザインを探すのも楽しい。拝殿左手「希望の岬」とある看板に従って、神社の裏手に出ると、そこには一面の水平線、開聞岳も一望の絶景が。一見の価値ありだ。

釜蓋神社
- 南九州市頴娃町別府6827[MAP]
- 【問】南九州市頴娃支所:0993-36-1111 / 釜蓋神社管理運営委員会:0993-38-0024
- 【P】あり
寄り道グルメ
味処みその

茶ロッケ定食は800円。定食を注文した場合、250円で茶っプリンとコーヒーを付けられます
国道226号沿いに立つ、地元に根付いた定食、会席の店。2代目、美園英元さんが、「特産のお茶のCM料理を」と考案した「お茶グルメ」が観光客に評判だ。「茶ロッケ」はポテトコロッケに頴娃茶の葉を混ぜた。さっくりと揚がった衣の中は、ほんのり緑色でとろっとクリーミー、茶の香ばしさが後味に広がる。「お茶の葉が油のしつこさを抑えてくれます」と美園さん。

デザートには「茶っプリン」(380円)を。ふわふわの茶の葉入りクリームの下には、パリパリのカラメルで仕上げたクリームブリュレが。定食屋でブリュレ? と疑うなかれ。美園さんが東京で修業中、ホテルのフレンチシェフ経験者から教えをこうた逸品だ。
もともと鮮魚店をしており、20センチ超えのジャンボエビフライ定食(950円)や、刺身定食(1,500円)が人気メニュー。伊勢えび半身入りのみそ汁がメーンの「イセエビ定食」は2,000円。いずれもボリュームたっぷりだ。
味処みその
- 南九州市頴娃町御領7465-1[MAP]
- 【TEL】0993-27-4080 頴娃茶グルメは、事前の予約をおすすめします
- 【営】11:00~22:00
- 【休】木曜定休、12/31、元日
- 【P】25台
ちょこっと寄り道【spot】
タツノオトシゴハウス

番所鼻自然公園内にある日本で唯一というタツノオトシゴの観光養殖場。縁結びや安産の守り神とされるタツノオトシゴをはじめ、地元の海の生物の生態を楽しく学べる。海を見下ろす「絶景カフェ」には、ノンカフェインのコーヒー、紅茶や茶節も。展示はリニューアルを続けており、魚の透明骨格標本コーナーなど、ぜひじっくりと。
タツノオトシゴハウス
- 南九州市頴娃町別府5202-2[MAP]
- 【TEL】0993-38-1883
- 【営】10:00~16:30
- 【休】火曜定休(祝日は開館)
- 【P】番所鼻自然公園西側Pが便利
ちょこっと寄り道【spot】
えい別府温泉センター

釜蓋神社のすぐそばにある温泉。市町村合併前の頴娃町時代に整備された公営温泉の一つ。シンプルながら寝湯、打たせ湯、サウナ、水風呂も備え、茶褐色の湯は肌がつるつるになる美人湯として人気。住民だけでなく、遠方から訪れる客も少なくない。露天風呂こそないが、窓から開聞岳が望めるのがうれしい。大人330円。
えい別府温泉センター
- 南九州市頴娃町別府5991-1[MAP]
- 【TEL】0993-38-2639
- 【営】10:00~22:00
- 【休】毎月第1、3月曜、元日
- 【P】あり
- memo
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頴娃といえば、日本地図を作った伊能忠敬が「天下の絶景」と賞したことで知られる景勝地。「今朝、ウミガメの赤ちゃんを放流してきたんです」と取材当日、みそのの美園さんが教えてくれた。番所鼻自然公園そばの浜に産卵した卵を保護していたのだという。周辺を歩いたが、黒々とした岩礁や小さなビーチがあり、あらためて自然の豊かさ、美しさを実感。次はゆっくり磯遊びしたい。(里)