
幾重にも連なる高い山々の縁をつなぐように、円い島をぐるりと一周する100kmほどの環状道路。
脇道に入りさえしなければ、屋久島ドライブで道に迷うことはありません。
この道路沿い、島の北西、海に沈む夕日が美しいことで知られる「吉田」バス停に、今月、小さなドーナツ屋さんがオープンしました。
おから入りベニエは、お母さんの優しい味
その名も「吉田ドーナツ」。
古い木製のばんじゅうに整然と並ぶのは、ころころひと口サイズのベニエと、穴の開いたオールドファッション。
ドーナツ生地を揚げたベニエは、アメリカ南部ニューオリンズの名物。おからと豆乳入りの生地を天然酵母で醗酵させ、仕上げに『黒砂糖』と『きな粉』をまぶすのは吉田ドーナツスタイルで、ふんわりもっちりした食感が特長です。
オールドファッションはサクサク。ほのかな甘さが、粉とオイルのうまさをひきたてます。その他に、あんドーナツなど、限定ドーナツをときどき登場させる予定とのこと。
屋久島産の卵や塩、アルミニウムフリーのベーキングパウダーを使うなど、からだに優しい素材を吟味。我が子にも食べさせたいおやつなのです。
営むのは、小学生のこどもを持つお母さん4人。
吉田区が管理する空きスペースをなんとか活用できないか、知恵を絞り、家事の合間をぬって、何度も試作と試食を重ね、オープンにいたりました。店内の一角では、メンバーが撮影した地元の絵はがきや手ぬぐいなど、雑貨も取り扱います。
県道を挟んで向かいは、安産の神様を祀る森山神社。情緒ある細い坂道を上った先には、日高神社。両社で使える絵馬も店頭で販売しています。
吉田集落は、NHKの朝の連続テレビ小説「まんてん」のロケ地として選ばれた風光明媚な土地で、町なかに現れる花崗岩の巨岩が、独特の風景を作りだしています。店内に置かれた地図を片手に、吉田の町を散策するのもいいかもしれません。
窓からは東シナ海。
視界をさえぎるもののない、大きな海を望む軒下のカウンターでは、買ったばかりのドーナツをその場でいただくことも可能。店内では、ソフトドリンクやアイスクリームも販売しています。晴れていれば、左手に口永良部島、右手に黒島と硫黄島がくっきり。
バス停の傍からは、海に下りるスロープもあり、訪れた際は、野生のカンナが満開でした。
吉田ドーナツ
- 屋久島町吉田58[MAP]
- TEL:090-5288-1538
- 営/11:00~15:00(売切れ次第閉店)
- 営業日/火・木・日※次回営業は9/24(木)~
- facebook/吉田ドーナツ Yoshida Donut
- 吉田集落HP/まんてん・平家の里 吉田集落