
「砂の道」ぜひカップルで渡りたい…
知林ケ島の「ちりりんロード」
限られた時期、時間だけ、砂州を歩いて渡れる知林ケ島(=写真上)。砂の道にはこの春「ちりりんロード」と、愛称も付いた。相変わらずカップルの姿が目立ちました。
休暇村指宿
それでは、“おでかけスケッチ帳”の世界をお楽しみください。
海の中から現れる神秘の道

イラスト:張 佐和子
鹿児島湾に浮かぶ周囲約3kmの小さな無人島、知林ケ島は3月から10月の大潮または中潮の限られた時間だけ、歩いて渡れる砂州が海の中から現れることで知られる。
この5月、「いぶすき 砂の道 ちりりんロード」という愛称が付けられた。島と対岸の田良岬を結ぶ砂州は、約800m。架け橋や絆のイメージから「縁結びの島」との評判で、カップルや夫婦の姿が目につく。
波が洗う砂の道を渡りながら、「ハート貝」と呼ばれる白い貝殻を探すのが、最近の人気。モクハチアオイという二枚貝で、耳のような形をしており、二つの大きさがうまく合うと、ちょうどハートの形に見える。

願いを書いた貝殻が取り付けられている「誓いの丘」

思い出にハート貝を
砂浜には、ハマユウの白い花やヒルガオが咲き乱れる。霜が下りないため、かつて島にはジャガイモやサツマイモの畑があり「宝の島」と言われていたという。島を一周する遊歩道は、昨年の土砂崩れで現在通行できないが、自然そのままの海岸で、海の生物を探すのもよさそう。背後の魚見岳に登れば、潮の満ち引きで砂州が現れる様を望むこともできる。
片道約20分、往復するだけでも1時間はみておきたい。島に渡れる日時は、指宿市ホームページ「砂州情報」等を参考に。安全には十分注意して、大切な人とぜひ。
寄り道湯
休暇村指宿

温泉地指宿の中でも、知林ケ島のすぐそばにあるのが「休暇村指宿」。2013年8月に砂むし温泉やレストランをリニューアル、今年は50周年を迎え女性や親子向けのサービスを充実している。
ロビー前のカフェ「太陽のテラス」には、源泉掛け流しの足湯があり、日帰りでも気軽に利用できる。眼前の海を望み、潮風に吹かれながら、コーヒーやビワ、マンゴージュース片手にほっと一息。砂むし温泉(日帰り1,030円、宿泊930円)は、開放的な屋外型と屋根付きスペースがある。安心感のある作務衣に着替えて、思いっきり汗をかける。

足湯前の芝生広場には、ハンモックが。大人だってユラユラしてみたい
レストランは、会席とバイキングを融合した「ハーフバイキング」が売り。周囲にはガジュマルやグアバ類が生い茂る熱帯果樹園もあり、南国ムードたっぷり。
ハンモックやハンギングチェアーを見つけたら、ついのんびりしたくなる。併設する海辺のオートキャンプ場「指宿エコキャンプ場」は、電源付きエリアもあり人気という。
休暇村指宿
- 指宿市東方10445[MAP]
- 【TEL】0993-22-3211
- 【P】あり
- 【HP】休暇村指宿公式ホームページ
指宿エコキャンプ場は、キャンプ用品貸し出し、夕・朝食付きパック、バーベキューパック等あり
ちょこっと寄り道【gourmet】
SAIGO

温泉や海遊びの後は、かーっと1杯飲みたくなるもの。でも運転が…という人にお勧めなのが、ノンアルコールのビアテイスト飲料「SAIGO」だ。
平成の名水百選に選ばれた開聞唐船峡の湧水と、屋久島タンカン果汁を使用しており、フルーティーでのど越しスッキリ。税別300円で、指宿駅売店や駅そばの岡村商店などで手に入る。
SAIGO
- 【販売元】湯砂菜企画
- 【住所】指宿市開聞十町2535-4
- 【TEL】0993-32-2305
ちょこっと寄り道【spot】
指宿のたまて箱

竜宮伝説をモチーフにしたJR九州の観光特急「指宿のたまて箱」。カウンターやソファ席などぜいたくな車内や記念撮影などのサービスのほか、見逃せないのが車内販売。
しゃれた黒い小箱入りの「玉手箱スイーツ」(720円)は、指宿特産の空豆と頴娃茶クッキーのコラボ。黒白2色のカメロンパンなども人気という。
- memo
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久しぶりに知林ケ島を訪れた。思い出すのは、テレビドラマ「青い鳥」(1997年)。ストーリーは正直忘れたが、全盛期(?)のトヨエツと、ドラマチックな舞台に盛り上がった覚えが…。市ホームページの砂州情報の時間帯は、あくまで予想。天候にも左右される。砂州がつながっていないときは海流が速く危険なので、絶対に泳いだりしないで。現場の注意事項は必ず読もう。 (里)