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がんについて考える|がんと向き合う~経験者の声

国民の約2人に1人が発症するとされるがん。正しい知識を身につけることは、誰もが希望を持って過ごせる社会の実現につながります。自身や家族の笑顔を守るためにも、がんへの理解を深めてみませんか。

がん経験者に聞きました

がんで夢をあきらめたり悲しい涙を流したり、もう誰にもしてほしくない―。36歳で子宮頸がんを経験し、最愛の娘を亡くしたフリーアナウンサーの柳佐知さんに思いを聞きました。

お話ししてくれた人

柳 佐知(やなぎ・さち)さん

1982年鹿児島市生まれ。フリーアナウンサー、渕上印刷取締役。第2代かごしま親善大使、ラジオパーソナリティー、テレビ番組キャスターを経て、現在は司会や企業研修、朗読コンサートなどを行う。出演するMBCラジオ番組「わたしらしくクラシック」は毎週日曜17時より放送中。

まさか私ががんに―
母親になる夢をあきらめたくなかった

がんだと告げられた時は診察室で泣き崩れました。私は自分の母のようなお母さんになるのが夢でした。子どもを持ち、あったかくて明るい家庭を築きたかった。でもそれが一瞬で閉ざされた、と絶望的になりました。

実は診断の2年前にがん検診で要検査となり、婦人科で3カ月に一度、経過観察を行っていました。結婚や退職でバタバタしていたこともあり、通院がおろそかに。久しぶりの検査でのがん発覚でした。

流産などのリスクはあるものの妊娠できるわずかな可能性にかけ、子宮頸部のみの摘出手術を行いました。数年後、念願の赤ちゃんを授かりました。おなかの中のわが子のことが愛おしくて、愛おしくて。胎動を感じ、女の子だと分かり、「あさひ」と名付けることにしました。朝陽のように周りに希望を与える女性になってほしいとの願いを込めて。

けれど、がんの影響で元気に産んであげることができませんでした。娘との別れはあまりにつらく、「がんにならなければ」「経過観察を続けていれば」という思いは消えません。

「一生の苦しみよりも」
そう思って備えてほしい

こんな思いはもう誰にもしてほしくないです。皆さんが描く夢を、がんであきらめることなくしっかりと両手で手にしてもらいたい。忙しい、痛みが嫌、などの理由で検診に消極的な人もいるかもしれませんが、早期発見で一生の苦しみを味わわずに済むのならと思って受けてほしいです。

私が毎日泣いていた時、「あさひちゃんはママを照らす〝あさひ〟なんだよ」という言葉をかけてもらいました。経験を話すことで一人でも検診に行く人が増えたらいい、そんな思いで私も少しずつ歩んでいます。

闘病や愛娘への思いが詰まった手記を出版

子宮頸がんが見つかる直前から娘を亡くした年の年末までの記録と、主治医からのメッセージなどを収録した柳さん初めての著書。メモをほぼそのまま載せた飾らない文体で、娘への愛情と彼女の優しさがあふれる。


あさひと生きる
~子宮頸がん手術を乗り越えて天使のママになったわたし~

1650円 / 渕上印刷 099(268)1002

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