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照明技術者|職人として目指す100%のパフォーマンス

関 朋子さん
(MBCサンステージ/鹿児島市)

講演会は立体感のある明るさを、ダンスや歌は場面によって、明暗や色合いを切り替える―。舞台上の照明のほんの少しの変化で、観客の受ける印象はがらりと変わる。まさに職人の技だ。「舞台は生もの。目の前で繰り広げられることに反応するのは楽しい」

「体を動かす仕事がいい」 飛び込んだ照明の道

舞台照明は、主催者と直接打ち合わせをして、内容に応じた光の当て方や色合いを考える。本番は進行に沿って、機材を操作する。ダンスや歌の公演の場合、事前に1曲1曲を聞き込む。全国ツアーで専属のスタッフが帯同している場合は、安全に照明を使えるように現場を管理する。

近頃は専門学校などを経て入社する社員が多いが、出身大学の所属は文学部。舞台照明とは無縁だった。「体を動かす仕事がいいなって。知識がないので、図面を渡されても何だこれは、って感じでした」

入社当時は“背中を見て覚えろ”の時代。必死で現場を駆け回った。「次の公演はどんなふうに仕上がるのか見てみたい」という好奇心が原動力。同期にも刺激を受けた。「センスは生まれ持ったもの。あとは努力次第。どうやったら追い越せるか、段取りを良くするなど、いろいろ工夫をしてきた」

忘れられないのが、駆け出しの頃に経験した野外ライブ。「会場が熱狂し、地面が揺れるのを感じた」。味わった感動は今でも糧となっている。

日々反省しながら より喜ばれるものに

どの公演も主催者の期待に応えるため、準備を重ねる。「自由にやって、と任された時は楽しいが、構成を考える作業は苦しい」

腕が試されるのは、プロのミュージシャンとの仕事。全国ツアーの照明を開催会場に任された時には、地方では味わえないような緊張感が走る。「みんなでいい舞台を作り上げて、よっしゃー、ってなれると最高ですね」と満面の笑みを浮かべる。

今でも動画をチェックしたり、いろんな場所に出かけたりして、アイデアのストックを増やす。ただ、完璧だと感じることは少なく、いつも自身の中で反省点を見つける。「依頼を受けたからには100%のパフォーマンスで応えたい」。現状に満足することなく、より美しく、納得のいく表現を追求する。

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関 朋子(せき・ともこ)さん
プロフィール

1974年鹿児島市生まれ。93年に鹿児島中央高校を卒業後、武庫川女子大学文学部国文学科に入学。97年にMBCサンステージに入社し、照明技術を担当する。2017年から照明グループ専任課長。鹿児島市の川商ホール、谷山サザンホール、サンエールかごしまの舞台管理や本番の設営などにあたる。

今これに夢中です

「姪」

5人の姪たちに赤ちゃんの頃から夢中です。長崎に大学1年生、宮崎に大学4年生がいるので、都合が合えば会いに行きます。予定にしばられるのが好きではないので、思いついたら、すぐに飛んでいきます。

資格について

舞台・テレビジョン照明技術者1級

今後の目標

催事を主催する方々に「MBCサンステージに頼んでよかった」と笑顔で言ってもらえるような舞台を作り上げたいです。

 

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鹿児島で働く女性たちを紹介しているFelia!の『クローズアップ』。いろいろな職場で輝いている彼女たちの姿や、これまでの足取りをご紹介します。

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