
術後疼痛症候群
じゅつごとうつうしょうこうぐん
前回は脊髄刺激療法(SCS)のお話をしたので、それに関連する病気をお話ししていきます。
「腰の手術を受けたのですが、痛みやしびれがまだ残っていて…」と言って、わたしの外来を受診される患者様がいらっしゃいます。一大決心して「くび」や「腰」などの手術をしたにもかかわらず痛みやしびれが残る、または再燃した場合は『術後疼痛症候群』と呼ばれています。
中には「手術の失敗ですか?」と尋ねられる方もいらっしゃいますが、これは失敗ではなく、手術後の骨や筋肉、神経の炎症や脊柱管狭窄の再燃などであり、現時点では避けることができない痛みと考えられています。原因となった病気や手術部位、手術方法などによってその症状は違いますが、すべての手術がこの痛みを発生する可能性があります。

『術後疼痛症候群』の代表的なものとその特徴には
- 頸椎(けいつい)・腰椎術後症候群:首や腰の術後に残る痛みやしびれ
- 開胸術後痛症候群:開胸術後の術直後とは性質の異なる痛みやしびれ
- 瘢痕(はんこん)性疼痛症候群:手術の傷痕に一致するピリピリする痛み
- 幻肢痛:四肢の切断後にないはずの四肢の痛み
- 旧肛門部痛:直腸がん術後の肛門部の痛み
- 複合性局所疼痛症候群:術後やケガの後から起こる原因不明の痛み
などがあります。術後疼痛症候群の痛みにはさまざまな要因が複雑に絡んでおり、診断も治療も難しいことが多いですが、できるだけ早く原因を突き止めて、それに応じた治療を行うことで改善できる可能性があります。早めの受診と適切な治療が大切です。
自分の症状と一致していると思った方や今現在している治療の効果が乏しい方は、一度ペインクリニック内科を受診し、早めの診断や治療をお勧めします。
フェリア紙上クリニック担当医

ペインクリニック内科
整形外科
麻酔科
前原光佑 先生
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