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フェリアSNSSOCIAL

グルメ
フェリア

好奇心と試行錯誤が生んだおいしさと食感

きらきら輝く海の宝石

海ぶどうはグリーンキャビアや海の宝石とも呼ばれる。ぷちぷちとした食感と、めかぶのようなぬめりが特徴で、ポン酢や三杯酢をつけて食べると磯の香りと、塩気が広がる。

垂水市でヒラメを養殖する森正彦さん(69)が海ぶどうの養殖を始めたのは2004年頃。沖縄を訪れた時、初めて食べた海ぶどうのおいしさに衝撃を受けた。鹿児島でも育てたいと沖縄の生産者に相談したが「海水温の低い鹿児島では無理」と門前払い。諦めきれず何度も沖縄を訪れ、現地の水産関係者とつながり、試行錯誤しながら独自の養殖方法を編み出した。

代表の森正彦さん。奥の水槽ではヒラメを養殖する

海ぶどうは網に苗を植えつけ、湾からくみ上げた海水の中に沈めて栽培する。海水温を上げる装置は使わず、日光量を調整しながら、最も海ぶどうに適している環境を研究したという。十分な飼料と酸素を与えると、1週間ほどで新芽が出始める。徐々に白く伸び、海ぶどうの特徴である丸い部分へと成長する。海水温が高い時期は1カ月半ほどで収穫できる。大切に育てた海ぶどうは「食感がいい」と評判だ。

茎部分をネットとネットの間に挟み敷き詰める。森さんが考案した方法で、成長してネットから飛び出した部分のみを収穫し、水槽に戻して繰り返し育てる

毎年、大型連休は養殖場近くで海ぶどうや養殖ヒラメ、タイの直売イベントを行い、地域を盛り上げる。今年3月に設置した海ぶどうの自販機も仕掛けの一つ。地元をはじめ県外からも多くの人が買い求める。「次はどんなことをやろうか」と森さん。あふれる好奇心が、これからも垂水の水産業を盛り上げていく。

森水産

  • 垂水市二川970MAP
  • TEL:0994(36)3409

「海ぶどうに適した温度を保てる機械を探すのに苦労した」という自販機。取材時も、次々と買い物客が訪れていた

よかもんのススメ…

道の駅たるみず 湯っ足り館

カンパチの刺し身や、店内調理のさつま揚げなどが並ぶ

森水産の海ぶどうは4月~10月末まで道の駅に並ぶ。毎日50パックほどを用意し、昼頃には完売する人気ぶりだ。東京や大阪からの観光客は、宿泊先で食べるために買う人が多いという。売り場担当の井川譲治さんは「鹿児島で海ぶどうが食べられることに驚く人が多い」。

桜島や鹿児島湾を望む足湯が名物。地域の特産品や土産品が並ぶ物産館、源泉掛け流しの温泉が楽しめる温泉館を備え、併設のレストランではブリ、カンパチを使った海鮮丼が楽しめる。これからの時季は垂水の特産品・ビワも多く並ぶ。

道の駅たるみず 湯っ足り館

  • 垂水市牛根麓1038-1[MAP
  • TEL:0994(34)2237 
  • 営/物産館9:00~19:00、レストラン11:00~15:00(OS14:30)、温泉館13:00~20:00(最終受付19:30)
  • 休/なし、温泉館は水曜定休(祝日の場合は営業)

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