
タクシーと施設で 望む暮らしの継続
住み慣れた地域で長く暮らしたい―。その思いに応え、鹿児島市に六つの営業所を置く鶴丸交通は介護タクシーを充実させる。利用者は通院のみならず、買い物やレジャーなど生活の足として活用。「乗務員の人あたりの良さや丁寧な対応からリピーターにつながっている」と胸を張る。
ただ、自宅での生活が困難になる人もいる。そこで運営する市丸グループは昨年5月、デイサービスとヘルパーステーションを併設する住宅型有料老人ホーム・鶴丸ホーム明和を開所した。「老年期こそ心豊かに過ごしてほしい」と思いを込める。鶴丸交通明和営業所が隣接し、入居者は時々自宅に戻って過ごすこともかなう。「ボウリング、パチンコなどのレジャー施設や、旅客船を抱えるグループだからこそできることもある。入居者の望む暮らしを長く続けるためのサービスを展開したい」

訓練を受ければ階段の昇降も可能。「お墓参りや、アパートでの往来にも応えます」と乗務員経験のある門之口さん

その人らしい最期へ より良い選択を
コロナ禍も感染症対策を徹底した上で家族との面会を許可。〝その人らしい最期〟にもつながった。家族が集まる機会を大事にしていたある入居者は、県外に住む孫にも再会し、家族の見守る中で最期を迎えた。「いつかは別れが来る。ご家族も入居者も、悔いのない最期を迎えてもらいたい」と語る。

細やかな気配りでリピーターの多い乗務員・田中和人さん
余生をどう過ごすか、入居者と家族が考える機会をつくろうと努める。「どんな最期が良いのか、悩んで選択してほしい。人生で一番濃密な時間に携われたら」

話してくれた人

市丸グループ・鶴丸交通 鶴丸ホーム明和
市丸グループ介護事業部長:門之口 豊彰(かどのくち とよあき)さん
- 鹿児島市明和1-25-11[MAP]
- TEL:099(282)1810