
厚生労働省は、子宮頸がんを防ぐためのヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチンの接種を積極的に勧めています。今年4月1日からは、HPVウィルスのうち、高リスクの7種類を含む「9価ワクチン」の接種も始まります。子宮頸がんやその予防のためのHPVワクチンの最新情報、子宮頸がん検診について紹介します。
「子宮頸がん」って何?
子宮頸がんは、子宮の頸部(子宮の出口に近い部分)にできるがんで、若い女性に多く発症するのが特徴です。HPVウィルスの感染が原因と考えられ、性的接触のある女性の70%ほどが一生に一度は感染する可能性があり、その一部はがんになることがあります。
16歳までにワクチン接種。4月から「9価」開始

子宮頸がんにつながるHPVの感染は、HPVワクチン接種で防ぐことができます。16歳までに接種すると効果が高く、公費で受けることが可能です。世界保健機関(WHO)も接種を勧めており、カナダやイギリスなどの接種率は8割に上ります。今年4月1日からは、HPVウィルスのうち、高リスクの7種類を含む「9価ワクチン」の接種も始まります。
17~25歳の女性はキャッチアップ接種を

HPVワクチンの積極的勧奨が中断中の8年間で接種しないまま対象外となった17歳から25歳=1997(平成9)年~2005(平成17)年生まれ=までの女性には、2025年3月まで、公費で接種を受けられる「キャッチアップ接種」があります。
検診で早期発見・早期治療

HPVワクチン接種による感染予防とともに大事なのが、子宮頸がん検診です。子宮頸がんを早期発見・早期治療し、死亡率を下げるために必要です。20歳以上の女性が対象です。対象年齢になったら、定期的(2年に1回)に受診しましょう。詳しくは近くの産婦人科医に相談してください。
出典:(株)日本医療企画 『厚生労働』2022年5月号
📢詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。
鹿児島県産婦人科医会(県医師会内)=099-254-8121