
湧水町のアーモンド
3月中旬から見ごろ! アーモンドの花
ピンク色のかれんな花―。サクラ? それともモモ? 湧水町で3月中旬見ごろを迎えるのはアーモンドの花だ。花言葉は「希望」。その言葉の通り、希望に満ちた春の訪れを喜んでいるかのように花開く。
今年も同時期が見ごろ。湧水町北方地域を散策しながら楽しめる(民有地のため、車は「北方コミュニティーセンター[MAP]」に駐車を)。
町の未来を託す希望のひと粒
「初めて花を目にした時は本当に感動した」と語るのは農家の上窪華さん。湧水町恒次の畑で約300本の木の成長を見守る。
町はアーモンドの花見を観光の起爆剤にしようと、2016年から栽培の後押しを始めた。2022年に発足した生産組合には22人が所属し、栽培面積は5.8haに広がっている。
ただ、国内で先進となる産地がない。似ているとされるモモの栽培方法なども参考にしながら、試行錯誤する。
実を収穫できるのは植えて4年目ごろから。種の中にある「仁」の部分が食用で、ビタミンや食物繊維が豊富だ。今年度から商品化への検討を進め、スイーツなどの試作を重ねた。23年度には販売に乗り出す予定。
6次産業化を担当する、町産業振興課の森田あかりさんは「町産アーモンドの将来のビジョンを、生産者の皆さんと一緒に構築し、実現に向けて伴走したい」と語る。
生産者も“アーモンドの町”定着に向けて、イベントで外国産アーモンドを使ったスイーツを振る舞うなどして機運を高めてきた。上窪さんは「町全体が一丸となっている。アーモンドをきっかけに湧水を知ってくれる人が増えたら」。アーモンドのひと粒に望みを託す。
湧水町産業振興課
- 姶良郡湧水町木場222
- TEL:0995-74-3111(代表)

よかもんのススメ…
かくれの里 里山の麺処と和布あそび あら木
町おこしに一役買いたいと、主宰の荒木國光さんが考案したアーモンドラーメン(800円)は店の看板メニューだ。とんこつスープに、自家製のアーモンドオイルとペーストを溶かし、香ばしさとコクをプラス。砕いたアーモンドも食感のアクセントだ。
自慢のラーメンは、妻・三恵子さんの両親がラーメン店をしていた頃の味を“舌の記憶”を頼りに復活させた。
「湧水町産アーモンドを使えるようになるのが待ち遠しい」と期待する。定年退職後「5年だけ」と自宅を改装して始めたラーメン店は今年で20年目。春はテラス席での食事が人気だ。「四季をのんびり楽しめる場所でありたい」と笑みを浮かべる。
かくれの里 里山の麺処と和布あそび あら木
- 姶良郡湧水町川西1280-3[MAP]
- TEL:0995-75-4102
- 営/11:00~15:00(L.O.14:30)
- 休/月・火曜
- P/あり
- HP/かくれの里 里山の麺処と和布あそび あら木
- /araki_yusui