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リサイクル会社取締役|生ごみの堆肥化で環境への意識の輪広げる

丸山 里絵さん
(丸山喜之助商店/日置市)

丸山喜之助商店(日置市)は創業100年を超える老舗リサイクル会社。家庭や契約事業所の生ごみを堆肥化した「よかんど」で注目を集める。できた作物は「よかんどそだち」として売られている。「地域の皆さんに、環境のために参加していると意識してもらえていることがうれしい」と語る。その輪を広げるため、魅力発信に奔走する。

「食品ロスを無くしたい」 思いをデザインに託す

27歳で結婚。「ごみ屋のお嫁さん」と呼ばれたこともあったが、構っていられないほど仕事に育児にと忙しかった。潮目が変わったのは10年ほど前。法改正やSDGsへの機運からリサイクルに関心が高まった。「世間の受け止めは驚くほど変わった」

よかんどは、事業所から出る生ごみを請け負うなか、食品ロスを無くしたいという思いから生まれた。水分を含む生ごみは、焼却に費用がかさむため、自治体にとっても減量が課題。日置市とタッグを組み、地域住民にも生ごみの回収へ協力をあおいだ。

商品化がかなった昨(2022)年、力を入れたのが、商品パッケージやリーフレットのデザインだった。高校の同級生でデザイナーの下南友江さんに依頼。リーフレットでは、生ごみが堆肥となり循環するシステムを図で分かりやすく紹介する。

デザインは取り組みを広めるきっかけとなった。2022年10月、グッドデザイン賞を受賞。デザインと、全国の自治体の参考となる取り組みを評価された。「他の地域でも生ごみの削減のきっかけとなれば」と期待する。

丸山喜之助商店「グッドデザイン賞受賞」

下南さん=写真右=とは同級生の結婚式で再会。SNSでの写真の撮り方などにもアドバイスをもらう

“おいしい”きっかけに人々がふれあう場を

よかんどを愛用する農家と「よかんどクラブ」という組織をつくる。それまで個々で奮闘してきた農家が切磋琢磨する。

自社農園で作ったネギやサツマイモも甘みがあり、おいしく育った。「よかんどのある暮らしの先には“おいしい”が待っている」と確信する。昨(2022)年は野菜ソムリエと発酵食品ソムリエの資格を取得。レシピの発信にも力を入れる。

「昔から応援してくれる人、従業員が支えてくれているからこそ今がある」と振り返る。そこに下南さんや、農家と新たな仲間が加わった。今後の目標は地域のふれあいの場となる「よかんどマルシェ」を開催すること。「地域の発展と雇用拡大にも努めたい」

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丸山 里絵さん(まるやま・りえ)さん
プロフィール

垂水市生まれ。90年に鹿屋高校卒業後、長崎県の短期大学に入学。卒業後は県内外の企業で事務職に就く。97年丸山喜之助商店現社長の明紀さんと結婚。総務・経理・人事業務をこなし、生ごみ有機堆肥「よかんど」の広報に力を入れる。同社は広告デザインや地域と連携した取り組みが高く評価され、昨(2022)年10月には「グッドデザインアワード2022」を受賞。同年は「南日本文化賞」も贈られている。

今これに夢中です

「週に1、2回のヨガ」

ヨガは心と体をニュートラルにする時間となっています。最近はエネルギッシュで運動量の多い「アシュタンガヨガ」に熱中。息切れすることなくできるようになるのが今年の目標です。

資格について

野菜ソムリエ、発酵食品ソムリエ

今後の目標

引き続き、地球と人に優しい環境づくりに取り組み、より良いまちづくりや心地よい地域のコミュニティを広げる役割でありたいと願います。経験の積み重ね・継続、そして謙虚さを心掛けながら、新しいことにもチャレンジしていきたいです。

 

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