
有嶋智真さん
(新村畜産肝付本店/肝付町)
黒毛和牛の生産から販売まで一貫して行う新村畜産。和牛を中心に、黒豚、鶏肉など販売する直営生肉店で接客に従事する。配達、事務なども担当。明るく親しみやすい笑顔に、思わずこちらも笑顔になる。
夢への挫折と新しい道
小学生の頃から夢は看護師だった。養護教諭が児童に手当てをする様子を見て「人をお世話する仕事がしたい」と感じ、看護学科基礎課程のある高校に入学した。しかし厳しい指導で精神的に追い込まれ、「自分には向いていない」と中退を決意。「かなり勇気がいる決断だった」と当時を振り返る。その後、居酒屋でのアルバイト、グループホームでのヘルパーの仕事を経験。接客の楽しさに出合い「人とコミュニケーションをとる仕事が楽しかった」。
結婚し、妊娠を機に退職。育児に専念したが、長男が1歳を過ぎた頃、夫・秀文さんのすすめで秀文さんの働く新村畜産へ入社した。働きはじめて11年目になる。
肉を通して思いを伝える
接客で心がけているのは常に笑顔でいること。丁寧で思いやりのある接客はファンも多く、問い合わせの電話では「有嶋さんはいますか」と指名が入る。「お客さんのほうから『いつもお世話になっています』と声をかけられたことがあって、そんなふうに思ってくれていたんだ、ととてもうれしかった」と思い出し目を潤ませた。職場の後輩、永島田涼香さんは「周りをよく見ていてお客さんやスタッフへの気配りがこまやか。まるで頭の後ろにも目が付いているよう」と信頼を寄せる。
肉を店頭に並べるためのカットも担当。塊肉を手作業で均等に切りそろえていく。同じ肉でもカットの仕方で見栄えが変わるため、まずは均等な柵状を目指して切っていくが、心臓など立体感のある部位は切るのが難しく「最初の頃は不ぞろいになり悔しかった」。慣れない作業も、何度も練習して身につけてきた。「来店した人においしそうと思って欲しい。1パックでも手にとってくれたら」と店頭に並ぶ肉一つ一つに思いを込める。
家庭では2児の母。「自宅でもお肉はよく食卓に並びます」と笑う。「お客さんにおいしいお肉と出合ってほしい」。そんな気持ちで今日も店頭に立つ。
有嶋智真(アリシマ・チヒロ)さん
プロフィール
飲食店での接客業、介護職などに従事し、結婚・出産を機に退職。2011年新村畜産に入社。
- 今これに夢中です
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「子供のバレーボール試合観戦」
小学3年、6年の子供のスポーツ少年団の練習や試合を見に行くことに夢中です。私はバレーボール未経験ですが、子供が急に「僕、バレーボールがしたい‼」とはじめました。どんなに疲れていても子供が頑張っている姿を見るとこちらも元気になるし、頑張ろうと思えます。
資格について
ホームヘルパー2級
今後の目標
黒毛和牛のおいしさをもっともっと多くのお客さまに知ってもらいたい。各部位の良さを自信を持って伝えられる自分になりたいと思います。