
「利用者は家族」心掛け、公的支援の隙間をカバー
単身高齢者をお世話するとき、初めは硬かった表情が、何げなくかけたひと言でぱっと笑顔に変わるという。「穏やかな表情を見るとうれしくて。利用者は家族。笑顔をたくさん見たくて、サービスにも力が入ります」と張り切る。
身寄りのない人や「身近な人に負担や迷惑を掛けたくない」と身元保証人を確保できず、医療機関や介護施設に入院・入所できない単身高齢者が増えている。そんな高齢者に身元保証や生活支援を行う民間サービスが広がっている。「えにしの会」もその一つだ。

面談を通じて利用者のニーズを把握します
契約内容に応じて、365日、24時間、ヘルパーの資格を持つ担当者が単身高齢者の生活支援や緊急時の駆けつけ、葬儀・納骨支援など、介護保険ではカバーしきれない支援に当たる。2013年に鹿児島事業所が開所して以来、県内の約120人が登録やサービスを利用している。
「いてくれて良かった」利用者の生活に寄り添う
今の職場に就いて3年目。コロナ禍で面会もままならず、利用者も遠方の家族も不安に陥りがちなだけに「小さな出来事でも、家族に伝えるよう心掛けています」。病院や救急隊員から緊急の連絡を受けることもあり「利用者のことで頭がいっぱい」という。

家族同様のサービスで利用者を支えます
月に1度、電話で安否確認する利用者から「あなたがいてくれて良かった」と感謝され、思わず涙が出たことも。「最後まで本人らしい暮らしを送れるよう、常に利用者に寄り添ったサービスを目指したい」と前を向いた。

話してくれた人

一般社団法人 生涯あんしんサポート えにしの会
- 鹿児島事業所
支援相談員:山下 香さん