
見る人を魅了してしまう甲冑
日本の伝統を鹿児島から発信する…
戦国時代、武将が身につけた甲冑は敵の攻撃から身を守るのはもちろん、威厳や存在感を示す意味があった。令和の世においてもその力強さ、美しさは人々を魅了する。
丸武産業では「着られる甲冑」を製造し、衣装レンタル・販売している。
1985(昭和60)年の黒沢明監督「乱」をはじめ多くの映画、大河ドラマに使われてきた。木村拓哉さん、綾瀬はるかさん主演の「レジェンド・アンド・バタフライ」(2023年1月27日公開)でも衣装を提供する。
甲冑は薄い鉄板を使い、6.5kgと軽量化してある。組みひもや鎖など、細かいパーツも工房で作る。
顧客の要望に合わせて細かく調整できることが強みだ。代表の田ノ上智隆さんは「着て動けるのがコンセプト。軽くて丈夫な着心地がこだわり」という。
下の写真は、映画「ステキな金縛り」で西田敏行さんが着用した甲冑。軽量化するため紙を使った。着心地の良さに「Tシャツみたい」と喜ばれたそう。
また、人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」の展示会用に、キャラクターのよろいも作製。戦国武将の甲冑以外にも遊び心のある作品を生み出している。
もともとは1958(昭和33)年に創業した釣りざおメーカーだった。甲冑づくりは創業者で祖父の故・田ノ上忍さんの趣味だった骨董品集めがきっかけで始めた。忍さんが手持ちの甲冑を修理し、会社に飾ったところ高く売れた。これを機に衣装会社を通じて着られる甲冑を製造、販売するようになり、今では甲冑の専門メーカーとして全国シェア8割を誇る。
「まずは見てほしい」との思いから工房に展示館を併設。甲冑を無料で見学できる。
「歴史ある伝統工芸品の甲冑を後世に伝えていきたい」。
日本の伝統文化をこれからも発信していく。
甲冑工房 丸武産業
- 薩摩川内市湯島町3535-7[MAP]
- TEL:0996-26-3113
- HP/甲冑工房 丸武
- /@marutake.armor
- /@tanouetomotaka
- /marutake_industries

よかもんのススメ…
甲冑工房丸武 おみやげ処
敷地内のおみやげ処では戦国武将グッズを販売。元職人の下口直人さんが店頭に立ち、軽妙なおしゃべりで豆知識やオススメを教えてくれる。イチオシは下口さんが自ら商品開発に携わった武将Tシャツ(3,960円)。着ると本当に甲冑を身につけているように見える立体感がポイントだ。
そのほか頬面をモチーフにしたマスク(1,320円)や武将フィギュア(3,170円)など約500種類が並ぶ。下の写真は「ボトルカバー(8,250円~9,900円)」。細やかな作りは本物さながら。歴史や大河ドラマ好きな人へのプレゼントにいかが。
工房の見学、甲冑の着用体験も可能。「作業中の職人たち、本物の甲冑をぜひ生で見てほしい」
甲冑工房丸武 おみやげ処
- 薩摩川内市湯島町3535-7[MAP](甲冑工房丸武敷地内)
- TEL:0996-26-3113
- 営/9:00~16:30
- 休/不定
記載されている金額・内容などはすべて取材時のものです。