
さつまこうちわ南風扇(はえせん)
“こうちわ”にあしらう郷土の魅力
暑い夏、女性や子どもの手にもなじむ、小ぶりなうちわはなんとも粋だ。扇面には軽くて涼やかな大島紬や、爽やかな香りの屋久杉などを用いる。異なる素材や柄の中から、お気に入りを見つけるのも楽しい。
仕掛け人は、洋服などのパターン(型紙)起こしを本業とする四元麻理さん。東京で10年以上経験を積み、2016年に地元の鹿児島市で独立した。
3年前に知人の勧めで始めた雑貨作りだったが、「せごどんばっじ」がかごしまの新特産品コンクールで賞を獲得し、創作意欲に火がつく。出張先で見つけた手のひらサイズの小さなうちわにヒントを得て、19年に「南風扇」が誕生した。「扇風機よりもおしゃれで、扇子ほど気取っていないところが魅力。鹿児島の柄を作りたかった」
下の写真はM4210が企画・開発した、鹿児島への愛情たっぷりの各種オリジナルグッズ(594円~)。What、鹿児島ブランドショップ(鹿児島市名山町)、きりん商店(霧島市牧園町)などで販売する。
ポップなデザインは、鹿児島県立短期大学の学生ら(当時)が担当した。大島紬柄には奄美などから仕入れる古布やB級品の反物を、屋久杉柄には「屋久杉やすずみ工芸」で加工の際に出る屋久杉の端材を使う。
反響は想像を超え、かごしまの新特産品コンクールで市長賞を獲得し、航空会社の機内販売商品にも採用された。「デザインを勉強しても、鹿児島で企画の仕事に就けるのはほんの一握り。働く場を増やしたい」と企画の仕事を通して新しい目標もできた。
スタッフの末永茉弥さんは、「古里・鹿児島で企画の仕事ができるとは思わなかった」と目を輝かせる。小さなアイデア商品が、故郷に新たな風を巻き起こす。
さつまこうちわ南風扇(はえせん)
Apparel Creation M4210
- 鹿児島市中山町5203-1[MAP]
- TEL:099-806-8760
- HP/Apparel Creation M4210
- /Apparel Creation M4210
- /@m4210official
- /@ApparelM4210
- /m4210official
記載されている金額はすべて取材時のものです。

よかもんのススメ…
What
山形屋2号館5階、便箋・封筒やポストカードなどを豊富にそろえる文房具・雑貨店。10年ほど前から西郷隆盛のキャラクターをあしらった手ぬぐいや、山形屋名物・金生まんじゅうを模した小物入れなど、オリジナルグッズを制作し、雑貨好きを魅了してきた。
「NHK大河ドラマ『西郷どん』をきっかけに、南風扇、エコバッグ、Tシャツなど鹿児島のグッズを作る企業が増え、売り場がにぎやかになった」と店長の宮路裕一郎さんは語る。「購入者は意外にも県民が多い。雑貨や文房具で鹿児島の魅力を発信し続けたい」
What
- 鹿児島市金生町3-1(山形屋内)[MAP]
- TEL:099-227-6580
- 営/10:00~19:00
- 休/山形屋と同じ
- HP/What
- /What
- /miyajingerz005