
丸池湧水の湧き水を使った「ブルーベリーソースと練乳のかき氷」
農業通じて地域をつなぐ観光農園…
ブルーベリーの花言葉は「実りある人生」。春はかわいい白い花を咲かせ、夏は暑さにも負けず青紫に色づいた指先大の実をつける。
6月上旬に農園を訪ねると、まだ熟す前の緑色の実がたくさんなっていた。主に栽培するのはラビットアイ系のティフブルーという品種。大粒で甘酸っぱいのが特徴だ。
以前桑畑だった土壌はブルーベリー栽培に適した酸性で、特別に肥料を与えず、農薬も使用しない。「できるだけ自然に近い形で栽培したい」と代表の上水流達郎さん。
日本名水百選に選ばれた丸池湧水の湧き水を使ったかき氷(=トップ写真。試作品段階のもの)は、7月20日より農園内で提供予定とのこと。甘く煮たブルーベリーソースと練乳の組み合わせがたまらない。上水流さんによると、丸池の湧き水はコーヒー、お茶、ご飯を炊くのにもおすすめらしい。
最も大変なのは収穫作業だ。果実によって熟れるスピードが違うため、小さな果実を一つ一つ見ながら手作業で収穫する。果実は全てグリーンコープに出荷する。
ブルーベリーの栽培を始めたのは18年前。旧栗野町役場に勤務しながらも、いつか実家の田畑で農業をしたいと考えていた。47歳で退職後、本格的に栽培を開始。「農家と地域の交流の場を」と5~6年後にはブルーベリー狩りやジャム作り体験を始めた。「グリーンツーリズム・湧水」の会長として、修学旅行生の農泊体験も積極的に受け入れている。
毎年7月中旬、農園を一般向けに開放する。「お客さんの楽しそうな顔を見られるのがやりがい」。レモンや、アーモンドの栽培にも着手する。「いろいろやってみようと思ってね」。花言葉と同様、「実りある人生」に向けた上水流さんの探求は続く。
体験型観光農園さつまドリームファーム
- 姶良郡湧水町木場2981-27[MAP]
- TEL:090-1924-6624
ブルーベリー狩りは8月末まで。摘み取り料100gあたり200円、入園料無料

よかもんのススメ…
観光物産販売所 栗太郎館
JR栗野駅構内に併設している直売所。霧島山麓湧水町観光協会公式キャラクター「栗太郎」が名前の由来だ。昔ながらの面影が残る、手渡しの「きっぷ売り場」は現役。レトロな雰囲気を楽しむことができる。
店内では野菜や茶、米など湧水町の特産品をはじめ、手作りブルーベリージャム(140g・600円)を購入できる。砂糖控えめの優しい甘さと、ゴロッと果肉を残した食感が特徴。パンやクラッカーに塗ったり、ヨーグルトに入れたりしてもおいしい。
販売所は観光案内所の役割も担っており、ボランティアガイドが町内の史跡や名所を案内するツアーも申し込める。湧水町の公式キャラクター「ゆうたん」グッズも販売している。
観光物産販売所 栗太郎館
- 姶良郡湧水町木場677(JR栗野駅舎内)[MAP]
- 営/10:00~16:30
