
天孫降臨霧島九面太鼓保存会ステージのワンシーン
太鼓でつなぐ霧島の神話。
町おこしの一環として始まり、50周年を迎えた太鼓集団「天孫降臨霧島九面太鼓保存会」。霧島神宮の宝物である「九面」をモチーフにした面をかぶり、天孫降臨にまつわる神話や霧島の自然をテーマにした楽曲を、大・小さまざまな太鼓を使って奏でる。お面をかぶって太鼓を叩くのは、上級者でも難しい。
メンバーは30人で、子供から70代までと幅広い。マネジャーを務める橋元真由美さんは、学生時代に九面太鼓に魅せられ、石川県の「浅野太鼓」で太鼓の製造から演奏技術まで学んだ。2014年から「森の太鼓店TECO・TECO(テコ・テコ)」(霧島市)を営み、販売の他、ミニ太鼓づくりや演奏体験などを通じ、太鼓の楽しさを発信し続けている。
店内に並ぶ浅野太鼓は見栄えも美しく、工芸品としても魅力的だ。
「太鼓は体も頭も使う楽器。個人で打ち方に左右差があったり、体の使い方で音が変わったりと知れば知るほどおもしろい」とその魅力を語った。
コロナ禍でイベントが次々と中止になる中、2022年2月に霧島神宮の国宝決定を祝い、久しぶりに神宮の舞台に上がった。「気が引き締まる特別な場所。お祝いに演奏ができてよかった」
迫力がある形相で、見る者を圧倒する「九面」。魔よけのほか、お金や物事の「工面」に通じるとして、昔から霧島で信仰されてきた。主役のニニギノミコトに、地上で主役を待つサルタヒコと、面の個性を知るだけでも奥深い。
「どーん」と練習場に響きわたるのは、橋元さんが奏でる大太鼓の音。全身を上手に使い奏でるプロの音は、体の中を突き抜け、心までも震わせる。この感動は、ぜひ間近で堪能してほしい。
天孫降臨霧島九面太鼓保存会
- 事務局:霧島市牧園町高千穂3878-114
- TEL:0995-78-2115
- /@kumentaiko
- /天孫降臨霧島九面太鼓

森の太鼓店TECO・TECO
- 霧島市霧島田口606[MAP]
- TEL:0995-57-2545
- HP/森の太鼓店TECO・TECO
演奏・ミニ太鼓づくり体験は要予約
よかもんのススメ…
霧島神宮参拝者休憩所
2022年2月、本殿などが国宝に認定された霧島神宮。「参拝の後は休憩所でごゆっくり」と事業課の田邊豊弥さんは笑顔で迎える。人気の土産は、昔から霧島で親しまれてきたという限定販売の「鉾餅」。サツマイモを練り込んだあんこ入りの餅は、ニッキが効いていて、シンプルながらもクセになる味だ。
2021年から「九面」をモチーフにしたキャラクター「九面どん」をあしらうグッズも登場。デザインしたのは、霧島神宮の巫女たちだ。「それぞれに性格や特徴があり、九面に親しみを持ってもらえたらうれしい」
霧島神宮参拝者休憩所
- 霧島市霧島田口2608-5[MAP]
- TEL:0995-57-0001
- 営/8:00~17:00
- 休/なし