
ざ王堂の加治木まんじゅう
笑顔がつなぐ、ほかほかのまんじゅう…
湯気を立てて並んだ、蒸したての加治木まんじゅう。一口頬張れば、ふかふかの生地とあんこの甘さに、思わず笑みがこぼれる。
始まりは、晩年を加治木で過ごした戦国武将・島津義弘にまつわると伝わる。義弘が石橋を造らせた際、工事に従事する人々のお茶請けだったというのだ。明治以降は庶民の間に広がり、学生や旅行客から人気を博した。現在、姶良市加治木地区では7店舗が販売し、400年以上の伝統をつなぐ。
1972年創業の「ざ王堂」は、今年(2022年)でちょうど50周年を迎える。
5時間かけて炊き、1日寝かせできたあんこ。生地に包まれ機械から出てくると、スタッフが手際よく丸め、次々と並べていく。
一次発酵の後、大きな蒸し器へ。6分ほどでほかほかのまんじゅうが蒸し上がる。一日に平均で600個、多いときには2,000個を製造。
スピーディーな作業の間に接客もこなすスタッフたちを「無くてはならない存在」と、代表の妻で現場を取り仕切る岩澤貴子さんは話す。
ざ王堂では25年くらい前から個包装で販売し、核家族化など時代の変化や、土産で配りたいといった要望に応える。「若い人にも手に取ってほしい」と始めた5色入りの「いろいろ物語」は、15年ほど前に他店と共同で開発した人気商品。
紫イモ、ヨモギ、ニンジン、ゴマ、竹炭の5色入り「いろいろ物語」(700円)は、ANAの機内誌「翼の王国」2022年2月号で紹介された。この日は「翼の王国に載っていたので東京に帰る途中に立ち寄った」という男性客の姿も。
コロナ禍前まではともにイベントに出店するなど、店同士の横のつながりも強い。つぶあん、こしあんなど店ごとの特色ある自慢のまんじゅう。食べ比べてみるのも楽しい。
加治木まんじゅう MAP
① ざ王堂=TEL:0995-63-3316
② 新道屋=TEL:0995-62-2654
③ 岡田商店=TEL:0995-63-3019
④ 堂免堂=TEL:0995-63-3317
⑤ 美坂饅頭屋=TEL:0995-62-2545
⑥ 秀月=TEL:0995-62-2802
⑦ 龍門堂=TEL:0995-62-3075
今回の取材先
ざ王堂
📢店頭では揚げたても!
