
漢方について、知っているようで実はよく分かっていない、という人は多いはず。まずは漢方の基礎知識を学んで、毎日をもっと健やかに心地よく過ごしませんか。
漢方専門の薬局の方に教えてもらいました。
漢方とは
6世紀ごろに中国から伝わった「漢(の時代まで)の処方」を基に、四季がある日本で日本人の体質に合わせ発展した医学と、中国で発展を続け、1972年の日中国交正常化以降に日本に入ってきた「中医学」。それらがミックスされたものを、現在の日本ではいわゆる「漢方」と呼ぶ。
漢方では、心と体を合わせた全体を「人」として捉える。人は生命のエネルギーである「気」、血液と血液に運ばれる栄養素の「血」、リンパ液などの体液を指す「水」の三つを基本に、それぞれがバランス良く体内を巡ることで健康が保たれると考える。
女性は「血」が大切

生理や妊娠・出産など「血」に関わることが多い女性は、一生を血に左右されるといっても過言ではない。生理一つにしても、何十年もの間、毎月多量の出血が続くので、心身に掛かる負担は相当なもの。不足しがちな血を食べ物や漢方薬で補いながら、体を動かすなど血液の巡りを良くすることが大切だ。
漢方が得意なこと

女性に多い冷え症や虚弱体質などの体質改善、検査には表れないものの不調が続くといった、不定愁訴の治療は漢方の得意分野。不妊や更年期障害の治療にもよく使われている。
西洋医学との違いと関係
西洋医学は、検査結果に基づいて症状や病名ごとの治療を行うのが基本であるのに対し、漢方では個人ごとに症状の元にある原因や体質を探り、体調の改善を目指す。「生理痛」という同じ症状であっても、原因や体質によって違う漢方薬を使うこともある。
現在、医療の現場でも漢方薬を使う医師は多い。西洋医学と漢方医学、それぞれの長所を生かして補い合う治療が広がっている。
【取材協力】
◆漢方のオリーブ堂薬局
◆さつま薬局
漢方専門のさつま薬局で聞きました。

市販されている漢方薬を自分で飲んでも大丈夫?
漢方薬は医薬品です。効能だけで判断して体質に合わない薬を飲むと、効果が出なかったり、体調を悪くしたりすることも。特に初めて飲む場合は、漢方専門医がいるクリニックや漢方薬局などで、専門家に選んでもらいましょう。

さつま薬局薬剤師:田之上 顕子さん
📢漢方薬は山芋、ミカンの皮、亀の甲羅、カキの殻など自然の中で取れる「生薬」から作られます。
誰でも飲める? 副作用は?

妊婦や乳幼児でも飲める漢方薬があります。ただ、全て飲めるというわけではないので、やはり専門家に選んでもらってください。また、体質によっては下痢などの副作用がでることもあります。
生理前はメンタルが不安定に…。この悩み、どうにかできる?

PMS(月経前症候群)に悩まされる女性は多いですね。生理前のイライラは、自律神経のバランスが悪くて気が滞っているサイン。体のバイオリズム的に、生理前は妊娠に備えて子宮へ血液が集まる時期。多くの血液を消耗し、自律神経のバランスも崩しやすいです。普段から血液が足りていない人や血行が悪い人は不調が出やすいので、体調の波を少しも小さくするために、日頃から心身を整えておきましょう。
PMSに使われる漢方薬の例

婦宝当帰膠
ふほうとうきこう
「当帰」は生薬として知られるセリ科の植物。血を補い、巡りを良くする。冷え性・頭痛・肩こり・貧血・生理不順など女性に起こりがちな不調に。

逍遙顆粒
しょうようかりゅう
気ままに散歩する、という意味の「逍遙」。ストレス過多の生活でイライラや落ち込みなどの精神的不安定や冷え性、不眠症などに。
日常生活に取り入れたい漢方的マイ・ルール
📢さつま薬局イチオシ!

朝日を浴びて体内時計をリセット

ウオーキングやヨガ・ストレッチなど適度な運動を

お風呂は湯船に漬かって

質の良い睡眠をとろう
教えてくれたのは

さつま薬局
薬剤師・国際中医専門員:田之上 晃さん
薬剤師:田之上 顕子さん
📢食べたものや気候、ストレスなどで私たちの体は日々変化します。早めに就寝したり、運動をしたり、過ごし方をほんの少し気を付けて、毎日を心地よく過ごしたいですね。
一生懸命やりすぎなくて大丈夫。楽しみながら取り入れてみましょう。
さつま薬局 鹿児島店
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