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本葛。天然のクズの根と水のみを使った全国でも珍しい逸品が垂水にある

天野屋の本葛

天野屋の本葛

「本物」を追い求めて…

くず切りやくず餅など、和菓子の原料として知られる「葛(くず)」。寒い時季にはくず湯で体を温める、という人もいるだろう。

垂水市二川にある「天野屋」では、毎年12月になると「本葛」の製造が始まる。ジャガイモなどのでんぷんを混ぜたものが「くず粉」として出回る中、天然のクズの根と水のみを使った本葛は全国でも珍しい逸品だ。

天野屋「本葛の製造過程」

滝の水や地下水を使い、ろ過を繰り返す

夏の間、つるを伸ばし葉を広げ、陽光をたっぷり浴びたクズは、根に良質なでんぷんを蓄える。葉が枯れた冬、養分が詰まった根を掘り出すのは「掘り子」と呼ばれる職人たちだ。希少価値が高い天然のクズの在りかを、彼らは決して明かさない。

クズ根「天野屋に掘り子から持ち込まれたクズ根」

掘り子から持ち込まれたクズ根

梶ヶ山隆世さんとクズ根

梶ヶ山隆世さんとクズ根。見た目はまるで木の幹のよう

一度に運び込まれる量は、軽トラック1台分ほど。中には人の背丈ほど大きいものもある。細かく裁断し、搾り機にかけ、何度もこす。抽出したでんぷんを専用部屋で乾燥させ、ようやく完成する。

天野屋「乾燥中の本葛」

4機の換気扇と扇風機を備えた乾燥部屋で2週間かけて水分を飛ばす

仕上がりまで約1カ月半、とれる量はクズ根のわずか5%と手間がかかる作業だ。創業者の故・梶ケ山秀敏さんが機械の設計から手掛け、試行錯誤して確立した製造法を、息子の隆世さんら家族が引き継ぐ。

天野屋「本葛製造の機械」

約30年前、創業時に故・秀敏さんが手づくりした機械を、現在は隆世さんが使う

葛根湯などの漢方薬に使われ、健康維持に役立つともいわれる。100gあたり2,160円と安くはないが、全国から注文が入るのはそのためだ。秀敏さんの妻・素子さんは「体調が良くなったという声が届くとうれしい。これからも本物を作り続けたい」と話した。

天野屋「梶ヶ山素子さん」

購入者から届いたお礼の手紙をたくさん見せてくれた素子さん。「私も毎朝くず湯を飲みます。そのおかげか元気に過ごせています」

天野屋

  • 垂水市二川669[MAP

よかもんのススメ…

天野屋の本葛

国道220号沿いの天野屋店舗と電話・FAX注文で購入できる。シーズンごとに持ち込まれたクズで製造し、売り切れたら販売を終了する。

天野屋

国道220号沿いの天野屋

梶ヶ山素子さんのお勧めはくず湯でとる方法。カップに本葛を大さじ1杯入れ、同量の水かぬるま湯で溶く。沸とうしたての熱湯を注ぎ、よくかき混ぜると出来上がりだ。

「茶色っぽくトロッとするのが本物の証し」と素子さん。お湯の温度や量が少し違うだけで白くなったり、とろみが出なかったりと、なかなか難しい。天然の塩や黒糖、ハチミツなどで軽く味を付けてもおいしい。

本葛は100・300・500g、1kgを販売。価格は100gあたり2,160円。購入の際は事前に連絡を。

天野屋の本葛

天野屋

  • 垂水市二川669[MAP
  • TEL:0994-36-2236
  • FAX:0994-36-3607

 

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