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染色職人 | 刷毛を手に全身全霊、門出彩るお手伝い

大漁旗を染める亀﨑染工の橋口彩花さん

大漁旗を染める亀﨑染工の橋口彩花さん

橋口 彩花さん
(亀﨑染工/いちき串木野市)

大漁旗や五月のぼりといった、伝統的な祝い旗は「印染」と呼ばれる技法で染められる。明治時代から手染めを継承する亀﨑染工(いちき串木野市)。極彩色に魅せられ、この世界に飛び込んで3年がたとうとしている。「もっと美しく、素早い仕事を身につけたい」と目を輝かせる。

丁寧に、美しく、贈る人の思いを乗せる

「染めごたえがある」と語るのは、新船の入水を祝う大漁旗。縦270cm、横400cmの旗と向き合う。下絵を描き、顔料で色付けする。立ち仕事で常に同じ姿勢。全身が筋肉痛になる。初めの頃はけんしょう炎にもなった。指には“刷毛だこ”ができている。「染める人の手になってきたかな」とはにかむ。

祝い旗を作る上で大事にしている言葉がある。入社間もない頃、ブログ執筆のため、亀﨑昌大社長へ大漁旗作りに込める思いを尋ねた時のこと。「思いは贈る人が込めるもの。その思いを乗せる器を作るのが仕事」と返された。その一言に感銘を受けた。「お祝いの気持ちが伝わるように、ただただ丁寧に、美しく仕上げたい」

古里のためにワクワクする仕事を

いちき串木野で育ったが、亀﨑染工のことは“地元のこいのぼり屋さん”と思っていた。出合いは卒業を控えた高校3年の2月。県内のクリエイターや企業らの作品が集まる「デザイン百覧会」で、パソコン作業時に手首を預けるリストレストを手にした。現代の暮らしに合わせた商品作りに感激した。

「どうしてもあの会社に就職したい」。進学後も亀﨑染工のことが頭から離れなかった。ハローワークに頼みこみ、短大2年の夏、工場への見学がかなった。染色の工程を目の当たりにして、思いはますます強くなった。「ここでワクワクする仕事がしたい、その気持ちは揺るがなかった」。ラブコールが実り、秋には内定を手にした。

いずれは古里に帰ろうと考えていた。育ててくれた町に恩返ししようと、進学先もまちづくりが学べる短大を選んだ。地元で就職した今、まちづくり事業に参加し、交流の輪を広げる。「亀﨑染工の職人さんだよね、と声をかけられることも増えた。いろんな人と関わりながら、門出を彩るお手伝いがしたい」。ワクワクが止まらない。

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橋口 彩花(はしぐち・さやか)さん
プロフィール

愛媛県生まれ。岩手県に移ったのち、4歳の時、父の職場がある、いちき串木野市に転居する。2017年松陽高校美術科を卒業後、倉敷市立短期大学服飾美術学科に進学。2019年4月、亀﨑染工に入社。三つ子の三女。毬花さん・悠花さんとのクリエイターユニット「3FacE」として作家活動もしている。

橋口彩花さん「制作のひと時」

どんなに忙しくても、制作の時間をかかさない

今これに夢中です

「地域事業と自主制作」

企画・運営に携わるイベントに、クリエイターとして出展する機会が増えています。モノづくりをしている人と関わることが多く、うれしいです。

今後の目標

商品を美しく染め上げるのはもちろん、お客さまに亀﨑染工の商品や技術、印染について伝えたいです。最近はワークショップなどを通じて、染色を体験してもらう機会が増えています。より多くの人に、私の感じたようなワクワクを体感してほしいです。

 

橋口彩花さん勤務の亀﨑染工さんの記事は、シリーズ【鹿児島よかもん紀行】で取り上げられています。記事はから

伝統工芸・印染を守る職人さんの技術と極彩色の世界に魅了される…


 

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