
鰤王と「鰤王定食」
ひたむきに『日本一』を支える人がいる…
正月料理に欠かせない、出世魚・ブリ。魚偏に「師」と書くのは「師走においしくなる魚」だからという説もある。東町漁協(長島町)の養殖ブリ「鰤王」は、生産量日本一。程よい海水温と潮の流れが、おいしいブリを育む。
朝8時、薄井漁港を訪ねると、沖合いのいけすで水揚げしたブリの選別が始まっていた。
加工用はフィレや三枚おろしに。箱詰めしたものは東京、大阪など消費地へ送る。食品衛生管理の国際基準「HACCP」など、数々の国際認証を取得しており、世界各国にも輸出される。
「食べた人には絶対、おいしいと言ってもらえている」と、生産者の山下泰士さん。ブリがのびのび泳げる環境づくりに気を配る。エサのやり過ぎにも注意が必要。人間同様、太りすぎると病気になりやすい。「わが子の成長を見ているようなもの。出荷の時は、お嫁に出すみたいで少しさびしい」と海を眺める。
2年ほど手塩にかけて育てられる鰤王にとって、大敵は赤潮だ。2009、10年には大きな被害を受けた。発生しやすい時期には海上のパトロールが欠かせない。
漁協を訪ねたのは10月下旬。案内してくれた指導共済課の細谷昌玄さんは普段、魚病を解析したり、投薬の指示を出したりしている。赤潮発生の時期になると、先輩職員と対策にあたる。
「もっと知識をつけて、対応策を迅速に伝えたい」。
日本一の産地は、ひたむきにブリと向き合う人々が支えていた。
鰤王(東町漁業協同組合)
- 出水郡長島町鷹巣1769-1
- TEL:0996-86-1200
- HP/東町漁業協同組合
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よかもんのススメ…
長島大陸市場食堂・直売所
長島の幸が堪能できる場所。休日となれば、多くの観光客がやって来る。食堂の名物は「鰤王定食」(1,200円)。刺し身にあら煮、みそ汁と、鰤王を存分に楽しめる。
「鰤王が購入できる店がほしい」との要望に応え、昨年、食堂横に直売所が誕生した。
鰤王の切り身、加工品などが並ぶ。前日までの予約で刺し盛りも購入可能。店内には近海で捕れた魚のほか、水産加工品、長島町で生産された農産物加工品なども販売している。新たなブランド魚「むじょかさば」もおすすめ。口の中で溶ける脂と、程よい歯ごたえが魅力だ。
長島大陸市場食堂・直売所
- 長島町諸浦1285(食堂)[MAP]
- TEL:0996-86-0780(食堂)/0996-68-1056(直売所)
- 営/食堂=11:00~14:00(L.O.13:30)、直売所=9:00~16:00
- 休/水曜
- HP/長島大陸市場
- /@nagashimatairikuichiba
- /@chokubai2021
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