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認知症とどう向き合う? 日本認知症学会認定専門医と介護支援専門員に聞きました

頭を抱えるイメージ

認知症によって社会生活が困難になると、周囲による介護は24時間365日続きます。そこで認知症専門医と、看護師・介護支援専門員にインタビュー。

日々、認知症患者と向き合うプロから、良好な関係を保つためのヒントを探ります。

認知症と診断されたら…どう受け止める?

もしも家族が、自分が、認知症と診断されたら―。認知症の受け止め方や、うまく付き合っていく方法を聞きました。

答えてくださった専門家

日本認知症学会認定専門医
パールランド病院
院長:猪鹿倉忠彦さん

パールランド病院 院長:猪鹿倉忠彦さん

誰しも発症の可能性。患者に温かな言葉を

2040年時点で、高齢者のうち4人に1人が認知症かもしれないという予測があります。認知症は誰しも発症する可能性のある病気です。

診断には注意が欠かせません。鑑別診断した上で、本人にはやんわりと、家族には正確に分かりやすく伝えます。「認知症」といわれるショックは大きいです。抜本的な治療はなく、できるのは進行を遅らせることくらい。その場では淡々と聞いていた家族でも、帰宅すると頭を抱えます。

頭部CT画像イメージ

頭部CT画像イメージ

大事なのは、抱え込まずに多くの人とコミュニケーションを取ることです。特に在宅で頑張ることは、並大抵の努力ではありません。福祉サービスを活用したり、「認知症の人と家族の会」など介護をしている人のアドバイスを仰いだりしながら、周囲とのつながりを持ちましょう。

認知症が進むと、物忘れや妄想、徘徊といった症状が見られます。本人の世界を否定してはいけません。怒らずに深呼吸して、温かい言葉をかけるよう努めてみてください。例えば、無いはずの物をずっと探し続けるということがあります。その際は話を変えたり、「お茶でも飲みましょう」と注意を他のことに向けてあげたりするのが良いですね。

健康を話題に上げて早期発見を目指そう

認知症はいかに早く気づくかが、進行を緩やかにする上で非常に重要です。コロナ禍でコミュニケーションが希薄となっている今、その気付きが遅れることを懸念しています。身なりに興味がなくなったり、生きがいを無くしたりしていたら要注意です。

家族で会話イメージ

コミュニケーションをしっかりと

家族と離れて暮らし、頻繁に会えない場合は「最近どうしている?」「体で気になることはない?」など、健康を話題に連絡を取ってみてください。

高齢者の皆さんは、加齢に伴うもの忘れなのか、認知症なのかと不安に思うことがあるかもしれません。くよくよ悩むことは悪影響。朗らかに考えて、家族や友人との時間を大切に過ごしましょう。

パールランド病院
(県指定 認知症疾患医療センター)

 

認知症患者との関わり方や介助のコツとは?

認知症介護の現場を取材。介護歴17年になる認知症介護のプロに、認知症患者との関わり方や介助のコツを教わりました。

答えてくださった専門家

グループホーム新川
施設事業部 統括部長兼管理者
看護師・介護支援専門員
川原 絵美さん

グループホーム新川看護師・介護支援専門員:川原 絵美さん

怒らず、受け流し、良き話し相手に

利用者は9人。ほとんどが80歳以上で、車イスや寝たきりの人もいます。食事に入浴、トイレと生活を支える介助から、レクリエーションに健康体操、検温などの健康管理までが私たちの仕事です。

介助中は利用者の厳しい言葉につい腹を立ててしまいがちですが、認知症の人の多くが自分の発言をすぐに忘れてしまいます。介護する人は同じ土俵に上がらずに、受け流すことが大事。認知症患者の発言に怒っても、相手は理由も分からずに怒られている状態になってしまい、信頼関係は失われてしまいます。忘れてしまうことを利用して、場所を変え、気持ちのリセットを促します。嫌な思いを引きずらせないことで、利用者にとって居心地の良い場所作りを心がけています。

介助イメージ

食事介助イメージ

「お金がなくなった」「ごはんを食べていない」と、入所者が言葉にするのは不安の表れ。症状を抱えている人の心配は計り知れません。中にはうまく言葉にできない人もいます。心配を抱えたままでいると「うつ」症状を併発することもあるので、一人一人の特徴やクセをつかみ、否定せずに話を聞くことで、良き話し相手を目指しています。言葉はパターン化することが多いので、答えを事前に用意すれば、介助者の負担軽減にもつながります。

重症化を視野に入れ、頼る介護の検討を

重症化後に、自宅から急に施設に入るのはハードルが高いもの。症状が軽いうちから、デイケアやショートステイで少しずつ人に会うことに慣れ、入所に備えることは大切です。

在宅介護中は、怒ったり、イライラしたりすることが多かったという家族が、入所をきっかけに程よい距離ができ、良好な関係が保てるようになったという話をよく聞きます。施設では時間割で生活するので、生活リズムが整い、症状の進行抑制も期待できます。

「話して良かった」「あなたがいて良かった」という利用者からの言葉を目標に、寄り添う介護を続けていきたいです。

グループホーム新川
(三井・メディックス)

 

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