
全国初の竹紙ストロー
竹紙ストローの奥にあるもの…
鹿児島県における竹林面積は全国1位。箸やかごなどに細工し、身近な存在として使用されてきた竹は、プラスチックの台頭とともに需要を減らした。
しかし、その間も竹は伸びる。人手不足もあり、手入れが行き届かず荒れた里山は、土砂災害を引き起こすこともある。
そんな中、薩摩川内市に工場を持つ中越パルプ工業が、竹を100%使用した竹紙を開発した。
日置市の印刷業・協業組合ユニカラーは、その竹紙を使うことが、放置竹林の解消、ひいては里山再生への道になると考え、2009年からノートや一筆箋などを製造してきた。
近年、社会は急速にSDGs(持続可能な開発目標)を意識するようになった。コーヒーチェーン大手のスターバックスが、脱・プラスチックの取り組みとしてストローを紙製に転換するとのニュースをヒントに、ユニカラーは、はっ水剤がなじみやすく耐水効果が高い、竹紙ストローを開発した。
原料となる竹は100%鹿児島県産で、品質にこだわった。企画・開発を担当した生野忠男営業部部長は、「飲み物の味が変わらないように、プラスチック製に限りなく近い使い心地を目指した」と話す。20年の県特産品コンクールでは入賞を果たした。
岩重昌勝理事長は語る。「ストローは、老若男女あらゆる人に使ってもらえる。製品の大本にある里山再生の理念や、脱プラ・SDGsについて知り、継続的に使ってほしい」
協業組合ユニカラー
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よかもんのススメ…
生協コープかごしま
鹿児島県内19店舗(西陵店は現在改装中)でユニカラーの竹紙製品を取り扱っている。組合員の学習会などで、SDGsの理解を深めるための題材として竹紙を取り上げたことがはじまり。「商品を普及させ、竹紙の存在を知ってもらいたい」と、販売を続ける。
店舗事業本部商品部部長の内村昭仁さんは、「消費者が環境について興味を持つきっかけになれば」と話す。
生協では独自に、持ち帰り用紙袋や紙パック焼酎用ギフトボックスを竹紙で制作し、地域メーカーの取り組みを後押しする。
生協コープかごしま 田上店
- 鹿児島市広木1-1-1[MAP]
- TEL:099-286-1080
- 営/9:30~20:30
- 休/年始
- P/88台
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