
ある会社員の方のお悩み…
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悩み
コロナ禍でも安心して妊娠・出産できる配慮をしてほしい。
(鹿児島市 42歳会社員)
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回答
働く妊産婦の健康を守るために「母性健康管理措置」という制度があります。本年度はコロナ禍を考慮した内容に改正され、来年(2022年)1月末までの間は、新型コロナウイルス感染症への不安がストレスとなり、母体や胎児の健康に影響がある場合、女性労働者は医師の指導により休業や在宅勤務などを事業主に求めることができます。
休業日の給与は労使の話し合いで決められます。有給の休暇になる場合、条件を満たし申請すれば、事業所は「両立支援等助成金」を受け取ることができます。事後の申請もできるので、労使の話し合いで情報提供をしてみてはいかがでしょうか。
(鹿児島労働局 雇用環境・均等室)
母性健康管理措置「両立支援等助成金」

対象
- 対象期間は2020年5月7日~22年1月31日。新型コロナウイルス感染症の影響で休業が必要と診断された妊娠中の女性労働者に対して、医師または助産師の指導を受け、休業措置を講じた事業所。
条件
- 対象者に向けた年次有給休暇以外の「有給の休暇」を整備 年次有給休暇時賃金相当額の6割以上の賃金が支払われるものに限る
- 1の「有給の休暇」および新型コロナウイルス感染症に関する「母性健康管理措置」の内容を労働者に周知すること
- 1の「有給の休暇」の延べ日数が合計20日以上であること 休業は連続していなくてもOK
助成内容
- 対象労働者1人当たり:285,000円 1事業所当たり5人まで
申請期間
- 対象者の「有給の休暇」延べ日数が合計20日に達した日の翌日から2022年2月28日まで 欠勤などを事後でも申請することで有給に振り替え可
覚えよう!「母健連絡カード」
「母性健康管理措置」に基づき、妊産婦を診断した医師から事業所への指導内容を、的確に伝えられるように作られた母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)。ほとんどの母子手帳に様式の記載があるので、コピーして使用を。
両立支援等助成金の相談・申請・お問い合わせ
鹿児島労働局 雇用環境・均等室
- 鹿児島市山下町13-21 鹿児島合同庁舎2F[MAP]
- 開庁時間/平日8:30~17:15
- TEL:099-222-8446
コロナ禍での妊娠・出産のサポート
こころのクリニック Vol.4
新しい命の誕生はとても喜ばしいこと。ですが、コロナ禍での妊娠・出産で妊産婦にかかる負担は大変大きいと感じています。母親学級が無くなりママ友と交流できない、立ち会いや面会が制限される中での出産…。体の不調や生活環境の変化などで、ストレスを抱えてしまいがちな妊産婦たち。当院にも、うつ状態になったり、突然呼吸が苦しくなったりして来られた患者さんがいました。

つらい状況で、妊産婦本人はなかなか冷静な判断ができません。事前に「困ったときに頼れる」制度やサービスの情報を入手し、対処法を家族で考えておくといいでしょう。保健師への相談や訪問看護を利用するのも一つの方法です。
治療に際して、妊娠・授乳中の服薬は不安、という方もいるかと思いますが、つわりの緩和に使う漢方薬など、飲める薬もあります。また、不安な気持ちを理解してもらうことで、心はずいぶん楽になるもの。外出が難しいときは、オンラインや電話で友だちと話すなど、気分転換をしてみてください。
スリジエこころのクリニック院長
髙橋多鶴子

スリジエこころのクリニック
- 心療内科、精神科、内科
- 鹿児島市南郡元町6-16-2F[MAP]
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- HP/スリジエこころのクリニック
精神科訪問看護を実施しています
スタッフが定期的にご自宅を訪問し、お話をしながら、快適な日常生活をサポートいたします。自宅で過ごすことが多い、人と接するのが苦手、など幅広い年齢の方に対応しています。