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ハチミツの甘さの陰には、人が大自然と闘う物語がある | 曽於市

ハチミツの甘さの陰には、人が大自然と闘う物語がある

ハチミツの甘さの陰には、人が大自然と闘う物語がある

豊かな自然映す、黄金の蜜…

児童小説「クマのプーさん」の主人公・プーは、蜂蜜が大好物。手にべっとりと付いた蜂蜜をなめ回す。しかし、本当の“ハニーハント”は自然との闘いだ。


新屋養蜂場「はちみつ収穫の様子」

はちみつの収穫は自然との闘い

4月中旬、レンゲ蜜の採集が始まったばかりの曽於市末吉に向かった。

新屋養蜂場「曽於市末吉のレンゲ畑」

曽於市末吉のレンゲ畑。曽於の他、姶良市加治木の巣箱でもレンゲ蜜を集めている

地元の新屋養蜂場代表新屋成登さんは、従業員とともにそっと巣箱を開ける。蜂をおとなしくさせるために、燻煙をまく。

新屋養蜂場「巣箱に燻煙」

蜂をおとなしくさせるために、燻煙をまく

新屋養蜂場「巣枠を取り出す」

蜂がおとなしくなった

巣箱1箱に2~3万匹の蜂がいて、働き蜂は全てメス。女王蜂の寿命は1、2年ほどだという。巣枠には蜂たちが集めた蜜が輝いていた。

新屋養蜂場「巣枠」

黄金色に輝く蜜がべっとりと付いた巣枠

新屋養蜂場「遠心分離器」

左右に25~40秒ほど回す

巣枠を遠心分離機にかけると、ふわっと甘い香りが。

採れた蜜は黄金色だ。

新屋養蜂場「採れた蜜は黄金色」

採れた蜜は黄金色

レンゲ蜜は、甘い花の香りと濃厚な味わいが特徴。花の蜜の種類によって、色・味・香りは異なる。

西洋ミツバチの行動範囲は4km。春はレンゲの他、山桜などの蜜を集める。近年は気候変動の影響を大きく受ける。新屋さんは「いい蜜を取るには人が手をかけるしかない」。

近年は、各地の養蜂家と農家が協力し、稲刈り後の水田にレンゲの種をまいている。良質なレンゲ蜜づくりにつながるとともに、薄紫色のじゅうたんは農村振興にも一役買う。

新屋養蜂場「国産純粋はちみつ」「旅するみつばち」

曽於市のふるさと納税の返礼品としても人気

新屋養蜂場は、蜂とともに移動する転飼養蜂。5月中旬は新潟、6月中旬は北海道でアカシア蜜を集める。ミツバチは熱に弱く、生かしたまま運ぶのは至難の業。巣箱に風を送り込むため、できるだけ走り続ける。巣箱を氷で冷やすことも。

新屋養蜂場「蜂を飼う巣箱」

蜂を飼う巣箱。栄養を与えながら大事に育てる

新屋さんは5カ月もの間、単身で旅に出る。養蜂場役員で妻の明美さんは「幼い頃、子どもたちはいつも泣きながら見送っていた」と懐かしむ。蜂蜜の甘さは、大切な人を思う愛情が隠し味なのかもしれない。

新屋養蜂場

 

よかもんのススメ…

新屋養蜂直売所

道の駅すえよしにある直売所には、新屋養蜂場が採集したものや、全国から取り寄せた蜂蜜15種類が並ぶ。明美さんは「特徴を知って、お気に入りを見つけて」と話す。

道の駅すえよし「新屋養蜂直売所」

道の駅すえよしにある直売所


新屋養蜂直売所「ゆずはちみつソースをかけたソフトクリーム」

ゆずはちみつソースが人気のソフトクリーム

名物は、ゆずはちみつソースをかけたソフトクリーム(360円)。ソースのレシピは、養蜂歴66年になる、新屋さんの父で、初代代表の繁興さんしか知らない。蜂蜜を知り尽くしているからこそ編み出せた、おいしさの秘密が隠されているのかも。

濃厚な甘さが特徴のはちみつ焼き(120円)も人気。ドライブのお供に買い求める人が多い。

新屋養蜂直売所「はちみつ焼き」

はちみつ焼き

新屋養蜂直売所

新屋養蜂直売所(道の駅すえよし内)

  • 曽於市末吉町深川11051-1[MAP
  • TEL:0986-79-1110
  • 営/9:00~18:00
  • 休/道の駅に準じる

 

 

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