
名勝 仙巌園から望む桜島
個人旅行の時代。見せ方を模索…
コロナ下の2021年2月、休園中の園内には静かに咲き誇る梅の花。「来年こそはお客さまにも楽しんでもらいたい」。広報担当の鶴園なつみさんは、SNSやメディアを通して、変わらない園内の四季を発信し続けていた。
「団体から個人へ、これからはマイクロツーリズムの時代」と模索し、19年に終えたリニューアル。自由に散策する個人客向けに休憩できるベンチを増やし、世界文化遺産・反射炉跡前には、そのストーリーを説明する施設を新設した。
1月からはアマゾン社と提携し、完全予約制・1回1組限定で海外客向けの園内を巡るオンラインツアーに挑戦。「2月で20件以上の予約が入り順調。実際に行ってみたいと思ってもらえたら」と新たな可能性に期待を込める。
「仙巌園の名の由来は中国の景勝地。池にある八角形のくぼみは風水の影響、釘隠には中国でおめでたい生き物とされるコウモリをあしらう」。
入社3年目、鶴園さんの目には地元の人も知らない仙巌園の隠れた魅力が映る。時代の流れに合わせ、新たな見せ方の掘り起こしに懸命だ。
名勝 仙巌園
- 鹿児島市吉野町9700-1[MAP]
- TEL:099-247-1551
- 営/9:00~17:00
- 休/なし
- P/1日:300円
- HP/名勝 仙巌園
- /@SHIMADZUsenganen
- /sengan_en
- /@senganen
老舗・名店の挑戦
世代を越え歴史を紡ぐ老舗や、こだわりの品を提供する地域の名店。コロナ禍で試練にさらされながら、新商品開発や新業態への進出で生き残りを図っています。変化を恐れず新たな伝統や定番商品づくりを模索する、老舗・名店の挑戦を追いました。