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温かみのある音色…ドイツで育んだ個性を奏でる|ピアニスト

ピアニスト 竹下智子さん

竹下 智子さん
(鹿児島市)

秋深まる10月下旬、霧島国際音楽ホールでミニコンサートが開かれた。しんと静まるホールに響くピアノの旋律。

グリーグ作曲「トロルドハウゲンの婚礼の日」の朗らかなリズムに気分が弾み、荘厳な世界観に引き込まれる。鍵盤を打つ指はなめらかで時折力強く、踊るように音色を奏でた。

ドイツへ留学、深めた音楽の世界

ピアノ講師の母と祖母の影響で、3歳で初めてピアノを弾いた。「広い世界へ」と音大に進学。

「音楽関係の人ばかりに囲まれた新鮮な環境。他の楽器と共演する楽しさを知った」。卒業演奏会の出演者に抜てきされたことで自信がつき、留学を決意。

「ベートーベンやバッハなど作曲家たちが生きた国、話した言葉に触れたい」と、ドイツへ渡り、競争率30倍の入学試験を突破した。

憧れの作曲家が生きた土地の暮らしは「生活のすべてに音楽がある幸せな環境」。小さな町にもオペラハウスがあり、教会や城、大学のホールで毎日のように演奏会が開かれていた。

渡独から6年後、創設から270年を超える世界最古の名門オーケストラ「ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団」の研修生に。2年に1人だけが選ばれる快挙で、名だたる演奏家たちと過ごす2年間が留学の集大成となる。

「一流の演奏家は人柄も魅力的。天才だと思っていた演奏家も、一つの音楽のために数カ月かけて感覚を浸透させる。スターのような演奏家と過ごした時間が人生の指針となった」

のどかな環境、温かな感性を醸成

ピアノは指や腕の動き、打鍵の深み、個性で音色が変わる。「温かみがある」と評される音色は、欧州各地の音楽コンクールで上位入賞に輝いた。

「ドイツの演奏家は、美しい自然の中でのびのびと過ごして五感を研ぎ澄ます。自然に恵まれた鹿児島で育ったことが強み」。

華々しい実績を「運が良かった」と回顧するが、並々ならぬ努力がなければ運もつかめなかったはずだ。

帰国から9年。県内各地で演奏会を開いて活躍の場を広げた。「人前で演奏すると感覚が高鳴り、インスピレーションが湧く。そんな舞台を若手のためにも増やしたい」。

屈託のない笑顔で展望をさらりと語る。たおやかな感性は、からっとした人柄に秘めている。

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竹下 智子さん
プロフィール

北海道当別町生まれ。9歳のときに祖母が住む鹿屋市に転居。鹿屋高校、国立音楽大学(東京都)を卒業後、ドイツに留学。ドイツ国立ライプツィヒ音楽大学・大学院のピアノ科と室内楽・歌曲解釈科を卒業。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で研さんを積み、2011年に帰国。鹿児島国際大学国際文化学部音楽学科の非常勤講師。みやまコンセール協力演奏家。鹿児島市と鹿屋市の自宅でピアノ教室を主宰する。
竹下智子ピアノ教室=mktakeshita@googlemail.com

今これに夢中です
「ベランダ園芸」

 留学中に窓際で楽しんだ園芸を、帰国してからは結婚後に始めました。ブルーベリー、ミモザ、レモングラス、長寿草、ユーカリ、ローズマリーなどを育てています。窓越しに変化や成長を眺められ、気軽で楽しいですよ。

資格について

小・中学校の音楽教員免許(失効しているかも)。

休日

週1日は休むようにしています。

 

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