
菜種油はとろり香ばしく、懐かしい風味…
鮮やかな黄色の菜種油は加熱すると、ナッツのように香ばしく、30年ほど前に食べた祖母の手料理を思い出す。
東串良町で1936年から国産の菜種を使った菜種油を作り続ける村山製油は、3代目の村山博隆さんが代表を務め、2代目の父・實盛さんも現役で、家族で菜種油を作り続けている。
母・トシさんは「昔は料理に使う油といったら菜種油。どの家庭にも当たり前のように菜種油が置いてあった」と懐かしむ。
トシさんの話によると、菜種の産地だった鹿児島は、62年頃まで100件ほどの油屋があった。安価な外国産の油が流通すると需要が減り、数件の油屋だけが残った。
「茶や米の生産に移行するところが多かった。うちは油専門。地道に続けるしかなかった」。
赤字経営に苦しんだ時期もあったが、昔ながらの菜種油を必要とする人のために作り続けてきたという。
菜種油の特徴といえば、独特の香りと色だろう。その癖を抑えた商品は数多くあるが、村山製油は脱臭、脱色をしない希少なもの。
菜種を焙煎することで、さらに香りと風味が強くなり、圧搾すると水分を含んだ淡い黄色の油が出る。
水分をとばして和紙でろ過すると鮮やかな菜種油になる。
博隆さんは「素材そのもの。年配のお客さんには、なじんだ味だと喜ばれる」。
熱に強く、酸化しにくいとも言われ、揚げ物に重宝する。
「カラッと揚がり、胸やけしない。9歳の息子、6歳の娘も菜種油で揚げたポテトフライが大好物」。
その良さを伝えるために出店イベントに積極的に参加。郷土料理の「がね」やコロッケを販売する。
「おいしい」「ずっと続けて」の声を励みに「おいしさを知ってもらうことが大事」と、幅広い世代への認知を広める。
村山製油
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よかもんのススメ…
MATHERuBA Cafe
小高い丘の上で「見晴らしがいい」と評判のカフェ。
緑豊かな庭に木陰もあり、ランチ、スイーツ、ドリンクは店舗前に備えるシートを広げてピクニック気分でも楽しめる。
店内にはオリジナルの調味料も並び、ドレッシングやソースとして使える「DRESS with(ドレスウィズ)」は季節の野菜を使った全6種で、季節ごとに2~3種を販売
タマネギをベースにした人気の「ONION(オニオン)」(540円)は村山製油の菜種油を使う。
スタッフの西田奈菜さんは「地元の素材を使った体に優しいもの。サラダだけでなく、いろんな料理に使って」。
「鹿児島ハンバーガーセット」(980円)。鹿児島県産の牛&豚を使ったパテがボリュームあり!
自家製バンズもほくほくでオススメです♪
MATHERuBA Cafe
マザルバ カフェ
- 鹿児島市春山町1509-10[MAP]
- TEL:TEL︎099-248-8463
- 営/11:00~18:00
- 休/火曜
- P/あり
- HP/MATHERuBA Cafe
- /matherubacafe
- /MATHERuBA
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