
専門店で味わう本格コーヒーとくつろぎの純喫茶をご紹介!

知れば知るほど奥深い、コーヒーの世界。
おうちで気軽に楽しむコーヒーから専門店、老舗喫茶店の味まで、コーヒーのプロたちが楽しみ方や、その魅力を教えてくれました。あなたの毎日に寄り添うお気に入りの一杯、見つけてみませんか?
可否館
こーひーかん
民芸品が彩る店内。主役はおいしいコーヒー
のれんをくぐれば、ふわっと甘いコーヒーの香り。店内を彩る民芸の器やタペストリーが温かい。館長の永田幸一郎さんは、店を絵を描くキャンバスに例える。
「民芸品を飾る店内の主役はおいしいコーヒーに限る」と自家焙煎を追求し、天文館で20年、現在の地・永吉で17年店を営んできた。コーヒーの女王と呼ばれるイブラヒム・モカなど、最高級品種という希少なモカを4種類ほど販売する。
「東京の販売会ではあっという間に売り切れてしまった」。
焙煎の邪魔をし、コーヒーの味を変えてしまうという傷んだ生豆を手作業で取り除き、長年の経験で焙煎度合いを変え、最良の豆だけで一杯を抽出する。
「おいしいコーヒーとの出合いが大切。オーダーに迷ったら相談してほしい」と勧められたのはクラシック・マタリモカ(800円)。「コクがあるのにすっきりとした後味で、ミントのブラウニーチョコレートケーキと相性が良い」。
常時5種類ほどそろえるケーキ(400円)は、手づくりで人気の「ヤノケーキテン モク」から仕入れる。コーヒーの味、客の印象などから、スタッフが感性で選ぶ一杯ごとに異なるカップも楽しみの一つだ。
可否館
- 鹿児島市永吉2-30-10[MAP]
- 電話/099-286-0678
- 営/10:00~20:00
- 休/第1、3、5水曜
- P/店舗前4台、第2駐車場2台
- 禁煙
- HP/可否館
- /kou_hi_kan
- /@coffeekan.kagoshima

珈琲いづみ 荒田本店
深煎りとネルドリップ、追い求める感動の一杯
一杯のコーヒーが、人生を変えることがある。40数年前、東京の専門店で飲んだコーヒーに心を揺さぶられた出水和親さんが、その店で修業し、天文館に「ライムライト」を開業したのは1980年。
「鹿児島で自家焙煎を始めたのも僕が最初くらい。本もなく誰も教えてくれなかった」と焙煎は独学で試行錯誤した。
有名店に育ったライムライトを20年目で手放し、コーヒーから離れた時期もあったが、恩義ある人から焙煎機を譲り受けたのを機に、この道に戻った。11年前に「珈琲いづみ」を鹿児島大学近くの静かな住宅街に開いた。
小さな釜で毎朝豆を焼き、午前中は店に立つ。シンプルな構えの店内には早い時間から常連客が一杯のコーヒーに癒やしを求め、気に入りの豆を買いに訪れる。
こだわりは、あの時感動した店と同じ深煎り焙煎とネルドリップ。
「コーヒー豆からはおいしい成分とともに雑味が溶け出す。濃くてトロッとしたおいしい成分だけを使えるのがドリップのいいところ」
一杯ずつ丁寧に立てるコーヒーは、冷めても琥珀色に澄み、しっかりした苦みの後に、甘い余韻を残す。
「同じ豆、同じ焼き方、同じ立て方でも味が違って奥が深い。まじめに丁寧に、ちょっとでもおいしいコーヒーをつくりたい」
珈琲いづみ 荒田本店
- 鹿児島市荒田2-54-2[MAP]
- 電話/099-252-4141
- 営/8:00~19:00
- 休/なし
- P/6台
- 禁煙
- HP/珈琲いづみ 荒田本店
- /coffee_izumi_aratahonten

純喫茶 和光
自家焙煎で香り立つ、鹿屋の老舗
ホテルのロビーをイメージした50坪の店内にはジャズの音楽が流れ、静かにゆったりと過ごせる。カウンターに立つのは1975年に店を開いた中野三好さんと次男の功二さん。
「ごほうびのような時間を過ごして」と、自家焙煎を始めた81年から変わらぬ味を守る。
キリマンジャロやマンデリンといった南米、中東、アフリカ産8種の生豆を仕入れて焙煎し、サイフォンで入れる。ストレート(550円~)も味わえるが、自慢は8種を独自に配合したブレンドコーヒー(480円)。
ブレンドだけで13種あり、多様な風味を楽しめる。モーニングやランチに人気の「アレンジコーヒー+サンドイッチセット」(980円)はいかが。
純喫茶 和光
- 鹿屋市西祓川町892-16[MAP]
- 電話/0994-43-7478
- 営/9:00~22:00、日曜は18:00まで
- 休/水曜
- P/35台
- 禁煙
- /@NAKANO1975

珈琲・紅茶館 南蛮
大人を魅了する、非日常空間
1953年に天文館で創業し、43年前に下荒田へ。年月を経た黒い壁は濃緑色につやめき、アンティークランプがともるノスタルジックな空間は、訪れる客を非日常へと誘う。
創業者・髙岡豊さんの欧風への憧れを形にした館は、緑に囲まれた町中のオアシス。
後を継ぎ25年になる息子の充幸さんは「昔は待ち合わせ場所に喫茶店を利用したもの」。
ブレンドコーヒー(560円)は苦みの効いたフレンチからシティ、ライトまで用意する。ハンドドリップの一杯と共に、大人の上質な時間を堪能したい。
珈琲・紅茶館 南蛮
- 鹿児島市下荒田4-7-7[MAP]
- 電話/099-253-7080
- 営/11:00~18:00
- 休/水曜
- P/10台
- 喫煙可(20歳以下入館不可)
