
「心を観る鏡」
心理カウンセラー 益満豊子
今、ディズニー映画「マレフィセント」が公開中ですね。この映画は、アニメの「眠れる森の美女」の実写版ですが、邪悪(?)な妖精マレフィセントを、あのアンジェリーナ・ジョリーが主演するというので、どう演じるのか楽しみです。
テーマは「真実の愛」? 違う視点からの女性の一面を見ることができそうですね。しばらく映画館に足が向かわなかった私もぜひ行って観てみたいものです。
同じアニメの映画に「白雪姫」があります。
そこでも悪役である継母の女王が出てきます。
その女王は魔法の鏡を持っていて、彼女はいつものようにその鏡に聞きます。
「一番美しいのは誰?」
すると鏡は答えます。「それはお妃様です」

ある日、また女王が訊ねます。
「一番美しいのは誰?」
すると鏡は、
「世界一美しいのは白雪姫」
と答えます。


普通、鏡は自分の容姿や姿を映してチェックを入れますが、心理学で言う鏡というのは、自分の心の中にあるものを他人や物に映し出して観ている時がよくあります。これを投影と言ったりします。
例えば、一挿しのバラの花が部屋に置いてあったとします。その花を見て、ある人は、生き生きとした花と答えるかもしれない。またある人は、ぽつんとして寂しそうと言うかもしれない。
花にとっては自分が生き生きしているとか、寂しいとか感じているわけではなく、そう思っているのはそれを見ている自分がそう感じているのです。

投影は自分にとって好いものを映し出すこともありますが、多くは自分の心の奥にしまい込んで、普段は表に出さないようにしている部分がよく出てくる場合が多いです。
白雪姫の継母の女王は、最初は子供としての女の子から大人の女性としての白雪姫に対する女性の嫉妬心、あるいは恐怖心に気づかず、自分の表面に出せなかったものを、鏡(他者)に映していたのかもしれませんね。
あなたは鏡(他人)になにを観ますか?
