
「小やごろう」と呼ばれる小玉スイカ
シャリシャリ、太陽が育む夏の味!
ポンポン、と高くて澄んだ音が選果場に響く。ずらりと並んだ大玉スイカを一つ一つ叩く等級決めの作業。高くていい音が響けば最上級、「ボテボテ」と響きが悪ければ、熟し過ぎて中が割れている可能性がある。
「やごろうスイカ」の金ラベルを貼れるのは糖度11度以上のみ。大玉で実が締まって瑞々しく、シャリシャリの食感が自慢だ。
伝説の巨人・弥五郎どんにちなんだ曽於市の特産品。昭和30年、旧大隅町の4人の生産者が白菜とともに栽培を始めたのを機に広がった。58年に銘柄を統一、平成6年には5億6000万円の売り上げを記録した。
ピーク時の栽培面積は71.2ha。現在は大玉小玉合わせて13.5haに減ったものの、白菜の後作に重宝され、大隅南地区の14戸が栽培している。近年は農家の高齢化や消費者の核家族化などで小玉の栽培が増えているという。
スイカの花には雄花と雌花があり、露地ものは虫の力を借りて自然受粉する。
栽培農家の領家一己さんの畑を訪ねると、大玉小玉のスイカがごろごろと転がり、収穫を待っていた。4、5月に苗を植え、ツルが伸びてきたら畑の両側に分ける。実が付いたら目印に色違いの棒を立て、熟すのを待つ。
着果後30~40日で収穫期を迎え、お盆の頃まで続く。植え付けからビニールやトンネル張り、摘果、害虫防除など全て手作業で「野菜の中でも一番手がかかる」と領家さん。
収穫前の大玉スイカは、甘くなるとカラスやタヌキに狙われる。
糖度が乗るかどうかは天気次第。梅雨の晴れ間となった空を見上げ「太陽さまさまだよ」と祈った。
JAそお鹿児島本所
- 曽於市大隅町岩川5591-1[MAP]
- TEL:099-482-0005
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表面を叩いた音や形で等級を決める。やごろうスイカの販売・発送については、下記「そお太くん市場」へお問い合わせを。
そお太くん市場
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よかもんのススメ…
謎多き巨人・弥五郎どん
身の丈4.85mの巨体で25反もの梅染めの衣を身にまとい、ギョロリ大きなまなこに太い眉。隼人族の首領とか、300歳の長寿を誇り6代の天皇に仕えた武内宿弥とか言われるが、正体は謎だ。
その巨体が岩川八幡神社周辺を練り歩く迫力の弥五郎どん祭りは例年11月3日。今年はコロナの影響で例年通りの開催は難しいかもしれないが、曽於市では大隅文化会館の展示や大隅弥五郎伝説の里の高さ15m、重さ39tの銅像など、あちこちでこの魅力的な巨人に出会える。
曽於市商工会大隅支所
- 曽於市大隅町岩川6491-2[MAP]
- TEL:099-482-1432
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