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法的に有効な遺言書を作る | 弁護士による法律の話

法的に有効な遺言書を作る

遺言書作成の注意点とは。

以前のコラムで、相続時のもめ事を防ぐには、遺言書を作ると安心であるとお話しました。そこで今回は、実際に遺言書を作る上での注意点をお話します。

遺言書は、民法の定めるルールに従って作成されなければ無効となります。例えば、自宅にて自分一人で遺言書を作成する場合には、全文、日付、氏名を全て手書きしなければいけません。ですから、日付のない遺言書やワープロで作成した遺言書は、その時点で無効となってしまいます。日付部分が「○年○月吉日」となっている遺言書が無効とされた例もあり、このような形式面のルールはかなり厳格に適用されます。

内容面でも注意が必要です。もめ事を防ぐために作成するものですから、文章の解釈に争いがでないよう、どの財産を誰に相続させるのか、明確に記載する必要があります。財産についても、自分がどのような財産をどこに持っているのか、可能な限り特定するようにしておきましょう。

また、遺産の分散を防ぎたい場合には、予備的遺言をいれておくことも必要でしょう。予備的遺言とは、例えば父親が子供のうち1人に全財産を相続させるとの遺言を作成していた場合に、その子供が父親より先に死亡してしまったときに備えて、予備的な相続人を指定しておくものです。これがないと、せっかく作成した遺言書は原則無効になってしまいます。

このほかにも、遺言書には作成にあたり注意すべきポイントが多くあります。最近は、遺言書を簡単に作れるキットが書店などで販売されていますが、複雑な内容の遺言書を作成する場合には、必ず専門家にチェックをしてもらうようにしましょう。

画:弁護士 中村 真

画:弁護士 中村 真

《あとがき》

一度遺言書を作成した場合でも、その内容を訂正することは自由ですし、回数にも制限はありません。もっとも、訂正にも形式面の厳格なルールがあり、訂正箇所を指示した上で、訂正した旨を付記・署名し、訂正箇所に押印しなければなりません。訂正が無効となった場合には、訂正はないものとして扱われることになり、自分の意思とは異なった遺言書ができてしまいます。訂正する場合には、訂正前の遺言書は破棄し、新しい遺言書を作り直したほうが安心だと思います。

なお、遺言書を訂正する予定がない場合には、公正証書遺言を作成するのもおすすめです。公正証書遺言は、遺言を作成する人が公証人の前で内容を述べ、それに基づいて公証人が文面を作成するため、形式面での不備により遺言が無効になるということはありません。また、原本が公証人役場に保管されるので、紛失や隠匿、内容の改ざんの心配もなくなります。費用や手間はかかりますが、遺言書作成では一番安心な方法です。

Felia! 2014年2月1日号掲載

解説してくれた人

牧瀬先生

弁護士法人あさひ法律事務所鹿児島事務所
牧瀬 祥一郎 先生

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