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薩摩琵琶奏者/50歳で一念発起! 若い人に魅力伝えたい

薩摩琵琶奏者・辛島由紀さん

薩摩琵琶奏者・辛島由紀さん

辛島 由紀さん
(鶴田流薩摩琵琶/鹿児島市)

素朴さの中に繊細さ、独特のもの悲しさが漂う薩摩琵琶の音色。日本人の琴線に触れる響きに魅入られた。「戦記物など人間の生死に関わる楽曲が多いからか、演奏していると、この世とあの世を行ったり来たりするような気持ちになる」。琵琶を抱えると、これまでの柔らかな表情がキリリと引き締まった。

大きなバチをダイナミックに叩き付ける男性的な弾奏法。質実剛健な薩摩の武士のたしなみとされ、女性奏者は多くはない。「鹿児島の若い人に薩摩琵琶をもっと身近に感じてもらいたい」と、学校訪問や各地のイベントに積極的に出演している。

日本の古典に触れたい、50歳で薩摩琵琶の世界へ

幼い頃から歌やピアノに親しみ、大学でギター・マンドリンクラブに入ったのが弦楽器との最初の出合い。はかない音色が気に入った。若い頃の2年間のドイツ暮らしで「日本人なのに日本の楽器を弾かないのか」と言われた言葉が心に残り、いずれ日本の古典に深く触れたいと思っていた。子育てが落ち着き、三線や筑前琵琶、詩吟に挑戦した。

「せっかく鹿児島にいるのだから、鹿児島発祥の楽器を」と薩摩琵琶を習い始めたのは50歳になってから。琵琶と尺八とオーケストラのための現代曲「ノヴェンバァー・ステップス」(武満徹作曲)の演奏で知られる鶴田流に「器楽としての可能性の高さ」を感じ、東京の音大でも教える女性奏者に師事した。

琵琶をもっと身近に、若い人に魅力伝えたい

2018年、鹿児島市の西郷どん大河ドラマ館のまちなかおもてなし隊に参加。同館ステージでの演奏を機に、薩摩の竹笛・天吹の奏者や日舞の先生らと高齢者施設の慰問を始めた。次第に鹿児島市役所ランチタイムコンサートや各地のイベントなど人前で演奏する機会が増えた。

鹿児島で生まれ、明治維新を機に全国に広まった薩摩琵琶。中学音楽で和楽器の授業が必修化され、音楽教科書にも載るが、今は遠い存在になった。「明治・大正の全盛期はギターのように身近な楽器だった。生の音を聴けばきっと魅力が伝わる。鹿児島の若い人がどこでも琵琶を弾いている光景を残すため、微力ながらお手伝いしたい。今はそれが使命なのかなと思っています」

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辛島 由紀さん
プロフィール

大分市生まれ。熊本女子大学家政科卒業。大分で高校教諭を務めた後、23歳で夫に伴い2年間ドイツ滞在、その後鹿児島市へ移る。主婦業や中学・高校の非常勤講師の傍ら鶴田流薩摩琵琶を学び、2018年から演奏活動を始める。NPO法人かごしまアートネットワーク会員。

今これに夢中です
「断捨離」

新型コロナの影響で演奏会が全て中止に。おうち時間で人形や本など、これまで集めた趣味の物をネットフリマに出したら思いの外うまく断捨離できた。

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