
大島紬ストールはふわり軽く、絹をまとうよう…
アオブダイにルリカケス、奄美の自然に潜む色が原風景だ。本場大島紬伝統工芸士の重田茂和さんが先染めや平織りといった伝統の技を使って仕上げる絹のストール(=トップ写真)は、鮮やかな色合いや繊細な柄、独特な風合いで、従来の大島紬の渋いイメージを覆す。
「絹をまとう心地よさは着物と同じ。ストールから大島紬に興味を持ってもらえたら」という願いも織り込む。
奄美大島生まれ、鹿児島市育ち。アクションスターを夢見て上京するも、大島紬の会社を営む父が病を患い、20歳で帰郷。一から技術を学ぶ。ところが需要はピークを終え、糸問屋の経営破綻のあおりで倒産。自身も皮膚の難病を発症した。
それでも大島紬への思いは消えず、1998年に工房「秀円」を設立。糸を染めるところから織りまで一人で仕上げる一貫制作で、「着物離れが進む中で普段使いできるものを」と時代に合った商品開発を始めた。
試行錯誤から生まれたストールは、2015年かごしまの新特産品コンクールで入賞するなど高い評価を得る。
一方で、昔ながらの技法の継承にも奮闘する。17年には伝統工芸士仲間と新柄「平成西郷星」と銘打った本場大島紬の反物を制作、パリでお披露目した。
「本物を守り続けるためには、新しいカテゴリーも必要。温故知新で、まだまだ新しいものを作っていきたい」。
糸が織りなす古くて新しい世界を独特の感性で切り開く。
大島紬秀円ランコントル
- 鹿児島市下福元町6952-1(工房)
- TEL:099-261-7708
- HP/大島紬ストール秀円
商品の購入は電話で問い合わせるか、上記公式HPへ
☀
よかもんのススメ…
城山ホテル鹿児島 さつまブランドギャラリー
「城山ホテル鹿児島」4Fのギャラリーでは、鹿児島県を代表する工芸品を展示・販売する。高級感あふれる漆黒の空間に、きらびやかな薩摩切子や繊細な柄が美しい薩摩焼が輝く。「紹介パネルもあるので、ゆっくりと作品鑑賞だけでも楽しんでほしい」と、企画広報部部長の吉岡栄一さん。鹿児島が誇る匠(たくみ)の技にときめく。
ホテル宿泊者や観光客だけではなく、大島紬のストールやポーチ、薩摩切子のペンダント、カフスボタンなどを記念の贈り物に購入する県内客が多い。「大島紬秀円ランコントル」の作品も取り扱う。
城山ホテル鹿児島 さつまブランドギャラリー
- 鹿児島市新照院町41-1[MAP]
- TEL:099-223-0411
- 営/8:00~22:00(さつまブランドギャラリー)
- HP/城山ホテル鹿児島さつまブランドギャラリー
☀
鹿児島よかもん紀行MAP

☀