
舞台「おしるし」の練習風景(左が重田さん)
若さで輝けるのは一瞬。輝き続けるために感性を磨いていく。
◆ON “表現することが大好き”
物心ついたころから人前で話したり、演じたりするのが大好きでした。小・中・高校とずっと演劇部で、小学生のときは自分で書いた脚本を昼休みに校内放送で流すような子供でした。
「第二の杉村春子になる!」と勇んで上京したものの、文学座を受けるのは敷居が高くて迷っていたところに偶然、テアトル・エコーのことを知り、同団付属の養成所に入所したのがプロへのスタートでした。団員になってからは、舞台では良い役をもらえるのに収入を得られる外部の仕事がなく、オーディションも片っ端から落ちてしまい、さすがに「もう駄目なんじゃないか」とすごく落ち込みました。26歳のころです。
その直後、フジテレビの「いただきます」という番組のオーディションに合格して、テレビの帯番組で生放送、しかもコントと初めて尽くしの経験をしました。番組のおかげで知名度も上がり、収入も得ましたが何より「人を笑わせるような仕事もできるんだ」と分かったことが大きな収穫で、一つの転機になりました。これから先、私でなければ演じられない、私にぴったりの役に出合えたらいいなと思っています。
重田 千穂子(しげた・ちほこ)さん
- 役者
霧島市出身。鹿児島玉龍高校卒業後、 日本工学院専門学校演劇科、劇団テアトル・エコー付属の養成所を経て同団に入団。
パリ演劇学校に留学しフィリップ・ゴーリエに師事。「いただきます」「お江戸でござる」「六月燈の三姉妹」「おしるし」など多数のテレビ、舞台、映画に出演。声優やナレーションも務める。
11月中旬には鈴木聡書き下ろし最新作によるテアトル・エコー公演に出演予定。
詳細は同団HP http://www.t-echo.co.jp/
◇OFF “時代に合わせて変わっていく”
休日はジムに行ってジャズダンスのレッスンを受けるなど、なるべく体を動かすようにしています。週に3、4回は舞台や映画を見に行き、演劇仲間と深夜までお酒を酌み交わしながら演劇談義というパターンが多いです。さまざまな世代や立場の人と話すことで学ぶことも多いです。
天職と思って入った世界ですが、「好き」という気持ちだけでは続けられません。演劇や映画の世界は時代によって目まぐるしく変わり、役者に求められるものも変わってきます。若いころはそれだけでキラキラ輝いていられるけれど、それはほんの一瞬。ずっと役者を続けるためには、演じ方を世の中が求めているものと折り合いをつけながら変えていかねばなりません。
そのためにも探究心を持ち続け、若い人の舞台を見たり海外へ行ったりして、いろいろ学びながら自分の感性を磨いていくことが大事です。結局オンもオフも芝居にどっぷり漬かってますね。
10問10答
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Q大事にしているものは?
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A介護される生活を送っている母
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Q愛読書は?
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A「星の王子様」
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Q日常生活で心掛けていることは?
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A前向きでいる
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Qこれから挑戦してみたいことは?
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A外国での芝居
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Q好きな役者は?
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Aシャーリー・マクレーン
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Q座右の銘は?
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A泣こよかひっ跳べ
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Qいま熱中していることは?
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Aナレーション、着付け
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Q鹿児島の思い出は?
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A霧島、温泉、高千穂峰、通った清水小界隈。玉龍高校で一生の友達たちに出会えたこと
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Q尊敬する人物は?
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Aマザー・テレサ
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Qこだわっていることは?
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A「自分らしくない格好はしない」「好きな物だけ買って、ずっと大事にする」