
日本一の生産量!開聞岳の麓で育まれるかごしまブランド“ソラマメ”
土地を愛し育む春の味覚
開聞岳を見上げる山川岡児ケ水(おかちょがみず)の広大な畑は、春になるとソラマメの木で緑に染まる。
2月下旬、9月にまいた種は高さ150cmほどに成長し、サヤの中でぷっくりと豆が膨らんでいた。
指宿のソラマメは生産量全国1位を誇る。「温暖な気候で育つので収穫期間が長く、サイズが大きい」と、指宿市農政課で豆類を担当する宮﨑信幸さん。「サヤが長く、2.8cm以上の豆が三つ以上入っているものが最上級とされる」
1ヘクタールの畑で栽培に挑むのは、農家歴6年目の久保田英樹さん、奈々美さん夫妻。先輩農家の手伝いをきっかけに農業に目覚め、春はソラマメとスナップエンドウ、夏はオクラを収穫する。育てやすいと、新規農家に人気の作物だ。
整列した木々を前に「水が欲しい、栄養が足りないとソラマメが言ってくれたら楽しいのに」と奈々美さんは笑う。
「サヤごと焼く(=トップ写真)か、塩と酒で豆をゆで、シンプルにいただくのが一番おいしい」と奈々美さんは勧める。「ゆでる時はお歯黒と言われる黒い部分に切りこみを少し入れてみて」
分析管理は英樹さんの担当。「水はけの良い山川の礫土(れきど)は、栽培管理が難しい」。焼酎かすからできたアミノ酸を散布するなど、農薬をできるだけ使わない方法で土地の弱点を補う。
冬場の天敵は霜。「昔から開聞岳を目安に、雲の出来方や高さで翌朝の天候を予想してきた」と先人の知恵に耳を傾ける。
ぽかぽか陽気の中、深呼吸をすればふわっと鼻をかすめる青々とした春の香り。「うまく行かない時も開聞岳を見れば元気に」。奈々美さんのはつらつとした笑顔がまぶしい。「人は土を踏んで、日に当たるのが一番」
指宿市農政課(いぶすき農業支援センター内)
- 指宿市十二町301[MAP]
- TEL:0993-22-2111
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よかもんのススメ…
ブーランジェリー ガルデ
指宿駅から歩いて3分ほど。交差点近くの小さなパン屋さんには、総菜系からスイーツ、ハード系まで約60種類がそろう。
「信頼できる材料」にこだわる、オーナー馬場大誉さんのパン作り。霧島の小麦や、農薬を使わない、坊津の農家から仕入れる野菜を使う厳選食材のパンを求め、指宿市外からも客が訪れる。
3月からは指宿産のソラマメを使う「空豆と生ハムのチーズバケット」(320円)が新登場。かりっと香ばしいハード生地に、優しいソラマメの風味、ハムとチーズの塩っ気が絶妙。
ブーランジェリー ガルデ
- 指宿市湊1-10-8[MAP]
- TEL:0993-23-4055
- 営/7:30~18:30
- 休/日・月曜
- P/2台
- HP/Boulangerie garde
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