
錦江町に冬限定で出現するインスタ映えスポットがあるらしい
フツーの景色を「映える」スポットへ!
開聞岳を望む、標高200mにある錦江町宿利原(やどりはら)地区の高台。
杉や竹で組まれた巨大やぐらにぶら下がるのは、見る者を圧倒する2万本以上の寒干し大根。青空の下、ずらっと整列した肌が白く輝く。
この地区だけで30基ほどあるやぐらは、高さ約6m、長さは50~100m。錦江湾から吹き上げる乾いた風が、芯までやわらかく仕上げる。
漬物用に適した、細長く辛みの強い品種は、干すことで刈り取った先端から蜜が出てくるほど甘くなる。
洗う時に選別し、大きく出来の良いものは風通しの良い上の段、小ぶりなものは下の段に分けて1週間から10日ほど干す。
作業中の男性に声をかけると「これが昔から続く冬の仕事だよ」。やぐらの上でまぶしそうに笑みを浮かべた。
作業は毎年12月から2月上旬頃まで行われる。
“写真映え”すると話題になったきっかけは、年末恒例となった宿利原農村公園周辺で行われる大根やぐらのライトアップイベント(=トップ写真)。「地元を盛り上げたいと思いみんなに協力を呼びかけた」と先頭に立って指揮をとるのは、錦江町役場職員の宿利原伸一さん。イベントでは、干し大根販売のほか、しし汁のふるまいや、神舞、太鼓などのステージもある。
職場の後輩や地元の若者らと、廃校を活用したマルシェや小学校で大根やぐらについて学ぶ時間を設けるなど「若手のアイデアを形にしてきた」。
2019年12月、宿利原地区公民館は「農林水産祭むらづくり部門」で表彰された。脚光を浴びる小さな町は、生き生きと新しい企画に挑戦する、若い活力であふれていた。
大根やぐらライトアップイベント
- 例年の開催場所:宿利原農村公園[MAP]
- /@daikonnyagura
錦江町産業振興課
- 錦江町城元963[MAP]
- TEL:0994-22-3034
☀
よかもんのススメ…
道の駅 錦江にしきの里
国道269号沿い、目の前に錦江湾が広がる風光明媚(めいび)な道の駅。生産者直売の農水産物や加工品、工芸品をそろえ、冬場は大根やぐらで作られた干し大根や漬物も不定期で販売する。
「けせん団子ならこれ」「この人のイチゴがおいしい」と生産者が表示された品にはファンも付く。午前中は新鮮な食材を求めて町外から客が訪れ、昼は地元の女性グループが作る「竹皮弁当」(1,080円)が定番人気。
午後からは夕食の買い出しに訪れる地元客の憩いの場に。自然に育まれた、錦江町のおいしい食材を堪能したい。
道の駅 錦江にしきの里
- 錦江町神川3306-18[MAP]
- TEL:0994-22-0831
- 営/8:30~18:00
☀
☀