
日本人の美と健康を守り続けるつばき油
桜島が育てたツバキ…
鹿児島市黒神町で約3,000本のツバキを栽培し種を収穫しているたっちゃん農園の代表者、吉時辰己さんは「完熟して地面に落ちた種がたくさん搾油できる」。
ツバキの実が完熟する9月下旬、収穫の繁忙期を迎えていた。
収穫した種は10日間ほど天日干しして、1960年から製油を続ける垂水市の葛迫製油所へ。種を蒸し、開業時から使う圧搾機で搾油する。
搾ったばかりの油はにごったまま。水分を飛ばして殺菌するために約140度まで加熱し、手すき和紙「蒲生和紙」80枚を重ねたろ過機に流し込むと不純物が取り除かれ、黄金色に輝く透き通った液体へ姿を変えた。
「飲んでみて」と、代表の葛迫みどりさんに勧められて口にすると驚くほどすっきりとしたのどごし。「自然からの贈り物。オリーブオイルのように生活になじんでほしい」
葛迫さんとともに伝統製法を守るのは永田武司さん。品質の高いつばき油を自らの手で作るようになって8年。県内外の同業者から頼られる存在となった。「技術を絶やさず残したい」と力強いが、ツバキの種を収獲する人手が少なくなってきたことが気がかりだ。
日本人の美と健康を守ってきたつばき油。大地の恩恵は桜島の麓で守られていた。
葛迫製油所
- 垂水市市木99-1[MAP]
- TEL:0994-32-0364
たっちゃん農園
- TEL:099-228-1112
- HP/たっちゃん農園
よかもんのススメ…
Camellia oil
カメリアオイル
美容にも重宝されるつばき油。その魅力に着目した美容師の萩原宏治さんは、葛迫製油所で作るつばき油を遮光瓶に詰めた「Camellia oil」を、自身の美容室で使うスタイリング用トリートメントに取り入れ、販売も行っている。
「髪だけでなく全身の保湿に使えると好評で、カメリアオイルだけ購入に来られるお客さまも多い。気軽に立ち寄って」と萩原さん。
髪質に合った使い方をアドバイスしてもらえるのも美容室ならでは。40mlサイズで1,980円。
Burano
ブラーノ
- 鹿児島市紫原3-11-17 LA BOSCO 1F[MAP]
- TEL:099-285-7076