
クラシック音楽を聴くブドウたち
大地と芸術が育む自然の恵み…
大隅半島南部。照葉樹の森から湧き出る清流の花瀬川沿いに、クラシック音楽が流れるブドウ農園がある。「音楽を聞かせて育てたブドウは味が濃く、甘いと評判」と代表の濵田隆介さん。この栽培方法を始めて25年になる。
石畳を敷き詰めたような川床が特徴の「花瀬川」は、島津斉彬も訪れた景勝地だが、ブドウの生産地としてなじみのない地で、栽培に着手したのは濵田さんの父。「花瀬川に遊びに来た人のお土産に」との思いだったという。しかし数年後に他界。跡を継ぐ濵田さんが「特色のあるブドウを」と町職員らと取り組んだのが、胎教にも良いクラシック音楽をブドウに聞かせる栽培方法だった。
使う楽曲はモーツァルト。「音の波長が植物の成長に合うと聞く。毎年、味の良いものが育っている」と実感する。品種は巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、ロザリオビアンコなど9種。
森が生み出す豊かな水にも恵まれ、大きな粒がたわわに実るブドウは7月下旬頃からに収穫でき、ブドウ狩り開始の日には、鹿児島県で活躍する演奏家らによる弦楽四重奏の生演奏が行われる。
ブドウ狩りは1Kg/1,300円~。町内の物産館などでも購入できる。
6年前からはカベルネソーヴィニヨンやメルローなどワイン用のブドウ8品種の栽培もスタート。昨年、収穫したブドウで「花瀬ワイン」が誕生した。農園にあるレストランでは、妻の佳代子さんがジェラートやパフェなどのスイーツを手作りする。「後に託す子どものためにも、町と農園を育てる責任がある」。父の志は着実に育まれている。
クラシックブドウ浜田農園
- 肝属郡錦江町田代川原4228[MAP]
- TEL:0994-25-2759
- HP/クラシックブドウ浜田農園
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よかもんのススメ…
ふる里館
錦江町や南大隅町の農産物、加工品がそろう物産館。クラシックブドウの加工品もあり、収穫期には果実も並ぶ。
錦江湾でヒラマサとカンパチの養殖をする坂下水産が運営。毎日水揚げしてすぐにさばいて販売するヒラマサとカンパチの刺し身(328円/100g)が人気で、多くの客がこれを目的に訪れる。魚の締め方、さばき方はプロの技術。スタッフの坂下奈津子さんは「くさみがなく、生魚が苦手な人にも喜ばれます」。ヒラマサ、カンパチを使ったぎょうざやコロッケなど冷凍の総菜もお土産に。
ふる里館
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