
大隅半島西岸にある高須海岸と雄川の滝
ラストサムライ達のために。西郷は急ぎ大隅から鹿児島へ…
南大隅町根占の渓谷沿い、大河ドラマのオープニング映像で話題になった「雄川の滝」を目指す。川のせせらぎをBGMに、約1.2kmの遊歩道を黙々と進む。
「もうすぐだよ」。上り坂、すれ違う人の声に勇み立つ。
たどり着いた先には、荒々しくも秀麗な岩肌と、エメラルドグリーンの滝つぼが創り出す神秘的な空間が広がっていた[MAP]。
南大隅町根占には、西郷隆盛が宿泊したという民家「西郷南洲翁宿所」が今も残り、西郷の銃が暴発したという弾痕や、屋外には西郷が使ったとされる石風呂や手水鉢(ちょうずばち)もある。
滞在中の1877(明治10)年2月、西郷らが設立した私学校の生徒による「陸軍火薬庫襲撃事件」の一報が入る。
西郷南洲翁宿所
- 肝属郡南大隅町根占川北38[MAP]
- 見学問い合わせ:0994-24-3164(南大隅町教育委員会)
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一報を聞いた西郷の口からは「ちょっしもた」。発したとされる一言にその胸中を探る。
鹿児島への帰路を急ぐ西郷は、根占から車で30分ほどの鹿屋市高須町の高須川河口から船に乗ったそう。
「オイドンが出にゃヤッスイメカイ(私が出て行かないとだめだろう)」。発つ前、西郷が残した言葉として鹿屋郷土誌に記される。
寒空の下、高須の海を見ながら何を思ったのだろうか。時は西南戦争へ、町は大隅半島における戦いの拠点となった。
「昔は憧れの町でした」。懐かしげに語るのは、町内会会長で高須まち歩きガイドも務める上原義史さん。32年前までは国鉄の駅があり、「100軒ほどの店がありました」。
駅跡地に建つ町民会館には、西郷が使用したという手水鉢の複製などを展示する。
高須町民会館(大隅高須駅跡)
- 鹿屋市高須町1704[MAP]
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西郷の定宿と伝わる田中邸跡には、「西郷南洲翁最後之宿泊地」碑が建つ。近くには上原さんのアイデアによる、西郷の身長と同じ178cmの案内板がある。
西郷南洲翁最後之宿泊地
- 鹿屋市高須町2016[MAP]
上原さんもガイドを務める「高須まち歩き」コース終了後は、地元・高須のお菓子でおもてなし。コースはショートコースとロングコースの2つあるみたい。詳しくは「高須まち歩き」のHPをご覧ください。
高須まち歩き
- TEL:0994-41-7010(鹿屋市観光協会)
- HP/高須まち歩き
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高須まち歩きコースにも入っている川津神社には「西郷岩」なるものが…。岩面がキスをしている顔に見えると、通称「キス岩」と呼ばれている。
「西郷南洲翁最後之宿泊地」碑近く、案内板の前から撮影すれば…
ステキなキスシーン♡
川津神社
- 鹿屋市高須町[MAP]
郷愁を誘う港町を散策しながら、語り継がれる歴史に耳を傾ける。開聞岳を望む夕日に染まった海岸線、波音がゆっくりと時を刻んでいた。
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今回のbreakスポットは…
葉っぱDELI
はっぱでり
「雄川の滝」から車で約10分、緑の中に見つけたのは隠れ家のようなカフェ・レストラン「葉っぱDELI」。“地域おこし塾”で知り合った吉山千里さんと白坂雄さんが営む。
「何かできないか」と、7年前(2012年)に古い家屋を店にリフォームした。
上の写真は「栫(かこい)の森ランチ」1,512円。メインは野菜たっぷりのハンバーグだ。
野菜のほとんどは地元産。地魚を使った和定食から気軽なパスタまで提供し、幅広い世代のニーズに応える。
下の写真はメキシコ料理という「チミチャンガ(ランチセット)」1,382円。トルティーヤに包むのは、ピリッとスパイスの効いた味付けの鶏肉やトマトなどたっぷりの具材。
珍しい南国風料理は、「外国人向け料理店に勤めていた時のレシピです」と白坂さん。彩り豊かな小鉢や、みそから手作りするみそ汁もうれしい。
アクアベースカフェ
雄川の滝の駐車場に休憩の場として、昨年(2018年)オープンした「aqua base cafe(アクアベースカフェ)」。
こちらでは、滝壺をイメージしたエメラルドグリーンの菓子やドリンク、オリジナルグッズを販売していて、下の写真は雄川の滝の色をイメージしたキレイな砂糖菓子、その名も「エメラルドの旅」。お土産にいかが?
アクアベースカフェ
- 肝属郡南大隅町根占川北12070[MAP]
- TEL:0994-24-3120(南大隅町観光協会)
- 営/11:00~17:00(土日祝は10:00~)
- 休/水・木曜
- HP/アクアベースカフェ
- インスタ/aquabase_ogawawaterfall
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