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主婦は休業補償をもらえないの? | 弁護士による法律の話

主婦は休業補償をもらえないの?

休業補償は主婦でも問題なくもらえるもの!!

交通事故によるケガなどで働けなくなった場合、休業中に給料が減ってしまった分は休業補償をもらうことができます。では、専業主婦の場合はどうでしょうか?
専業主婦は給料をもらって家事をしているわけではないので給料が減るということもありません。そのため、「主婦は休業補償をもらえない」と思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、休業補償は主婦でも問題なくもらえるものなのです。

専業主婦の中には家事や育児、親の介護などで夫と同じぐらい、またはそれ以上働いている方もいらっしゃいます。その専業主婦が働けなくなって家事労働を他人に頼むとなればお金を払わないといけないのですから、金銭的な評価はできるのです。

そうなると気になるのは評価額をいくらにするかという問題ですね。家事労働の対価を決めるのはなかなか難しいため、実務上は女性労働者の平均賃金を参考にしており、具体的には年収350万円前後とされることが多いようです。(「無職」として申告してしまうと休業補償をもらい損ねる場合もあります。)

そのためには正しい知識を!

もし、交通事故に巻き込まれて専業主婦が働けなくなれば家政婦さんを雇ったり、外食が増えたりと家計の支出も大きくなります。生活防衛のためにも、休業補償に対する知識を正しくもち、自分の年収が350万円より低く抑えられていないかを、よく確認しておくとよいでしょう。

ちなみに、男性が専業主夫で家事労働の担当だった場合にもあてはまります。お困りの方は、ご相談ください。

画:弁護士 中村 真

画:弁護士 中村 真

《あとがき》

今回のコラムは、専業主婦がケガなどにより休業した場合の補償についてお話しました。実際の示談において、保険会社側が専業主婦の休業損害をゼロであると主張することはあまりないようですが、評価額や休業日数を少なめに提示されることは少なくありません。正当な補償をうけるためは、示談前に弁護士へ相談することをお勧めします。

ちなみに、パートタイマーや内職等をしている兼業主婦の場合には、パート収入などの現実の収入額と女性労働者の平均賃金額のどちらか高い方を収入として計算することになります。たとえ仕事と家事を完璧にこなしていたとしても、両方が合算されるわけではありません。

実際の案件では、兼業主婦の方は扶養の関係で年収350万円に届かないことが多く、専業主婦と同じ金額と評価されることが多いようです。しかし、パート収入のみが収入として計算されてしまい、専業主婦よりも低い休業補償しか貰っていないケースもしばしば見られるため、注意が必要です。

Felia! 2013年7月6日号掲載

解説してくれた人

牧瀬先生

弁護士法人あさひ法律事務所鹿児島事務所
牧瀬 祥一郎 先生

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