
川内高城温泉街を走るボンネットバス
西郷どんもお肌が“つるん”?
目抜き通りのS字カーブをボンネットバスがゆっくり進む。薩摩川内市湯田町の山あいに湯治宿や立ち寄り湯が寄り添う川内高城温泉は、約800年の歴史を誇る。
西郷隆盛は1873(明治6)年、ウサギ狩りに川内高城温泉を訪れたと伝わる。通り沿いでは、この秋(2018年)リニューアルした西郷隆盛入浴像が湯治客を出迎える。
民家に1週間宿泊、裏の宿で碁を指したという西郷。好んだ共同湯では、隅っこが気に入りだったという。
共同湯(元湯)
- 薩摩川内市湯田町6763[MAP]
- TEL:0996-28-0117
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西郷隆盛が「不老泉」と称えた湯がある
双葉旅館(旧五助屋)と双葉屋は西郷が「不老泉」「安楽泉」とたたえた湯。旧五助屋の浴室内モザイク張りの壁にも「不老泉」の文字がある。
両湯の経営者の孫娘、吉田弘美さんは「昭和20年代頃は湯治客らが宿の廊下にまで人があふれ返ったほど、とにかくにぎわったと聞きます」と話す。「当時の温泉は病院代わり。湯の力はすごいですね。ここのお年寄りは皆元気、お肌もつるんつるんです」。
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日本の名湯百選に選ばれた美肌湯
「一番のごちそうは『日本の名湯百選』にも選ばれた美肌湯」と言うのは、せんだい高城温泉よか湯協議会の井龍修会長。
「西郷さんの肌もつるっつる!!」のうたい文句で、地域おこしを引っ張る。
せんだい高城温泉よか湯協議会
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ひなびた温泉街に似合いの昔ながらの商店があったので、のぞいてみた。
85歳の石原ヨツエさんが手作りするだんごや餅が人気の石原商店は、県外発送の引き合いも多い。
昭和30年に嫁いできたヨツエさんは「あくまきもかからん団子も、母が作っていた昔の味を次の世代の人に伝えたいのよ」と思いを語った。
石原商店
- 薩摩川内市湯田町6762[MAP]
- TEL:0996-28-0035
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石原商店のすぐ近くには、83歳の八木二雄さんが営む八木酒店も。にぎやかな飾り付けで存在感バッチリ。
八木商店
- 薩摩川内市湯田町6473[MAP]
- TEL:0996-28-0040
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今回のbreakスポットは…
湯峠茶屋
温泉街唯一の食堂「湯峠茶屋」では、アユの塩焼きや山菜など地元の山や川の恵みを味わえる。切り盛りする石塚洋子さんは「素人料理ですが」と謙遜するが、天降川のアユから自家栽培の栗・柿まで、素材は高城温泉出身のご主人が趣味の山遊び・川遊びで前日調達する新鮮なものばかり。
請われて開業し2年。「ずっと専業主婦だったが、今は人との出会いが楽しくて」という明るい石塚さんとの会話も楽しい。定食800円、アユ塩焼き定食1,000円。予約がお勧め。
湯峠茶屋
- 薩摩川内市湯田町6773-3[MAP]
- TEL:080-1760-8993
- 営/11:00~14:00
- 休/月~水曜
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