
日当山・西郷どん湯温泉と、栗野岳南洲館
大河ドラマ「西郷どん」も昨年末に最終回となり、「西郷ロス」の方もいらっしゃるのでは…。そこで、これまでのフェリア連載『西郷旅』から、今回は姶良霧島・えびの方面の「西郷どん」スポットをセレクトしました。
ここに行けばいつでも「西郷どん」の息吹を感じることができるはず!!
西南戦争で熊本を目指し行軍した龍門司坂
ドラマロケ地としても有名な古道…
こけむした石畳の山道「龍門司坂(たつもんじざか)」は、薩摩の繁栄支えた古道。薩摩街道大口筋の一部で、1635年に造られ、約500mが昔のままの姿を残す。
大河ドラマ「翔ぶが如く」「篤姫」「龍馬伝」の撮影にも使われたこの坂が、「西郷どん」のオープニング映像と、西郷と大久保利通が友情を確かめ合う第13話のロケ地となり、再び脚光を浴びている。
鈴木亮平さん演じる西郷隆盛が触れる「決意の杉」は、訪れた人が同じポーズをとる人気スポットでもある。
龍門司坂
- 姶良市加治木町木田[MAP]
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日当山温泉
西郷隆盛が最も頻繁に訪れたと言われる温泉…
霧島市隼人の平野を流れる天降川両岸に家族湯や旅館が集まる日当山温泉郷。鹿児島の温泉を愛した西郷隆盛が最も頻繁に訪れたと言われ、土地の人との裸の付き合いから生まれた逸話が数多く残っている。
西郷どん湯温泉
- 霧島市隼人町内1462-2[MAP]
- TEL:0995-43-3870
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日当山西郷どん村
復元された「西郷どんの宿」
この地で西郷が常宿としていた湯守の龍宝(りゅうほう)家屋敷「西郷どんの宿」が復元されているのが、霧島市の観光施設「日当山西郷どん村」。
龍宝家の復元家屋や龍馬風、篤姫風の着物体験、そして西郷が馬をつないだ樹齢180年のイヌマキがある日当山西郷どん村には、2019年1月に足湯やレストランなどが完成予定だ。
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栗野岳温泉 南洲館
西南の役の前年、一ヶ月ほど過ごした栗野岳温泉
1873(明治6)年、職を辞して鹿児島に戻った西郷隆盛は、湧水町の栗野岳を訪れている。知人に宛てた手紙の中で「仙人が住むようなところ」と感想をつづり、1カ月ほど過ごしたという。
「西郷さんが入ったのは源泉に近いお湯だと思います」と、南洲館オーナーの永峯周作さん。類似するという竹の湯はひりひりとした熱さが心地良い。西郷が患っていたという持病にも効いたのだろうか。
敷地内には「南洲翁遊猟之地」碑が建つ。宿に残る資料からは、気軽な鹿児島弁で地域の人たちと交わる、大らかな西郷の人柄が伝わってくる。
この仙境のような地を、西郷も狩りをしながら走り回ったのだろう。
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吉田温泉 鹿の湯
万病に効くと伝えられる湯
戊辰戦争の状況を函館まで確認して帰った直後の1869(明治2)年6月、西郷はえびの市の吉田温泉に湯治に訪れている。
湯あたりして発熱や下痢に悩まされ、「大変な思いをしたが、悪いものが全部体内から放出されたようで心地よい」と盟友・桂久武への手紙に書いたという。
かつてこの地を治めた島津義弘公も愛用したそうだ。
吉田温泉 鹿の湯
- 宮崎県えびの市昌明寺689[MAP]
- TEL:0984-37-1531
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白鳥温泉上湯
西郷が漢詩に詠んだ名湯
西郷隆盛が「霊境の温泉は世縁を洗う」と漢詩に詠んだ白鳥温泉。1874(明治7)年7月から3カ月もの間、上湯に滞在した。滞在中も西郷を慕い訪れた若者に指導する姿があったという。
西郷に癒やしを与えたこの地は、西南戦争の激戦の舞台となり、遂には敗走路へと姿を変えた。
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