
竹の皮のよもぎ団子
旬の素材を活かして。ヨモギでデトックス促進。
ヨモギが芽吹いてくると、真っ先に作りたくなるのが竹の皮で包んだヨモギの団子です。ほんのり苦くて、独特の香りが春の味覚を楽しませてくれます。
デトックス(体内の毒素排出)や胃腸を整える効果があるといわれ、身近な薬草として重宝されています。
竹の皮のよもぎ団子
- ~材料~(2本分)
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- サツマイモ(中):1本(約200g)
- きび砂糖:80g
- もち米粉:80g
- 薄力粉:40g
- ゆでたヨモギ:100g
- 小豆あん:200g
- 竹の皮:2枚(ないときはクッキングペーパーでも可)
ヨモギの新芽はあくが少ないので、塩をひとつまみ入れた熱湯でゆで、水にさらす程度で十分。大きく育った葉は、ゆでる時に重曹を入れてあく抜きしてから使う(水2Lに重曹小さじ1ぐらい)。
ヨモギが手に入らないときは、よもぎ粉(10g)を50mlぐらいの水でふやかして使う。サツマイモの甘さによって、砂糖の量は加減する。
- ~作り方~
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- サツマイモは皮をむき2cm幅の輪切りにし、水にさらしてあくを抜く。
- ①を蒸して温かいうちにつぶす。
- ゆでたヨモギを粗みじん切りにし、すり鉢やフードプロセッサーでペースト状にする。
- ボウルに小豆あんと竹の皮以外の材料と③を入れて耳たぶぐらいの硬さになるまで水を加えながらよくこねる。
- ④を2等分にし、だ円形にして小豆あんを包む。
- ⑤を竹の皮で包み、細く裂いた竹の皮で結んで湯気の立った蒸し器に入れ、約30分強火で蒸す。
料理制作・監修

料理研究家
鎌下直子さん
鹿児島市生まれ。夫、息子、娘の4人家族。
料理好きの祖母や料理講師だった母の影響もあり料理の道へ。出産後、日々の食の重要性を再認識し、食生活アドバイザー、国際薬膳食育師、アスリートフードマイスターなどを取得。レシピ開発や学校・企業での料理講師に携わる。
「家ごはんを大切に」をモットーに食育、伝統料理、料理法、栄養などあらゆる切り口から食スタイルを提案している。
鎌下直子さんのEssay
端午の節句の頃になると祖母の家に親戚が集まり、あくまき作りをしたものです。その時に祖母が一緒に作ってくれたのが、竹の皮で包んだ団子でした。
あくまき作りは、庭にある大きなかまどで火をたきながら1日がかりの大仕事。あくまきがゆで上がるまでの合間に食べる、竹の皮の団子が何より楽しみでした。

ホーローボウルがお団子作りのサイン
鹿児島ではこのような団子を「田植え団子」とも呼んでいて、田植えの時のおやつとしてよく作っていたそうです。各家庭で味はさまざまだったようですが、祖母の作る団子には春に摘んだヨモギがいっぱい入っていました。
赤い花柄の大きなホーローボウルが準備されると、祖母のお団子作りの始まりです。サツマイモと粉を豪快にまぜる姿は、今でも忘れられません。この時期になると無性に食べたくなる思い出の味です。